不登校の原因のうち最多は「無気力・不安」(文部科学省「令和5年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」)。ただしこれは学校が把握した要因であり、子どもが感じている本音とは異なるケースが大半です。
「なぜ行けないか、自分でもわからない」——当サイト管理人の小谷がこれまで受けてきた5,000件以上の相談のなかで、この言葉は毎年最も多いパターンのひとつです。
原因がわからないまま時間が過ぎると、子どもは「自分でも理由を説明できない自分」に罪悪感を抱き始めます。親は「何をしてあげればいいのか」と途方に暮れ、学校や医療機関をたらい回しにされる家庭も少なくありません。
でも、不登校に詳しい専門家が共通して言うことがあります。「原因の多くは複数重なっている。そして親のせいだけではない」——この事実を知るだけで、親子の空気が変わった家庭を何度も見てきました。
この記事では、文科省データにもとづく原因ランキング9項目を整理したうえで、「子どもが原因を言えない理由」と「親がしがちなNG行動チェックリスト13項目」を解説します。小谷が5,000件の相談現場で見てきた本当の理由と、今日から使えるサポートをお届けします。

こたにりょうた5,000件以上の相談を受けてきて感じるのですが、「原因が1つだけ」というケースはほとんどありません。まずランキングを見て、お子さんに当てはまりそうなものを探してみてください。
この記事でわかること
- 不登校の原因ランキング上位9つと、それぞれの「本当の意味」
- 小学生・中学生・高校生で原因はどう違うか
- 「親のせいかも」という罪悪感を正しく整理する方法
- 子どもが「理由を言えない・わからない」心理のしくみ
- 原因がわかった後、今日から親がすべきこと
当てはまる様子を選ぶと、考えられる原因と詳しい解説が表示されます
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お子さんの状況から、以下の原因が関係している可能性があります。
⚠ 複数の原因が重なっているケースが多いです。気になるセクションからお読みください。
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不登校の原因は1つじゃない|最新データから見える「本当の姿」
「うちの子が不登校になったのは、いじめが原因だと思う」。こう話す親御さんは多いのですが、実際に詳しく話を聞いていくと、いじめの前から少しずつ元気がなくなっていた、成績も落ちていた、家でも親との衝突が増えていた——そういった複数の事情が重なっていることがほとんどです。
不登校の原因は「1つ」ではなく、複数の要因が折り重なって起きるものです。
不登校とはどういう状態か——文部科学省の定義を整理する
文部科学省は不登校を、「何らかの心理的、情緒的、身体的あるいは社会的要因・背景により、登校しないあるいはしたくともできない状況にあるため、年間30日以上欠席した者のうち、病気や経済的な理由による者を除いたもの」と定義しています。
重要なポイントは「何らかの……背景」という表現です。単一の原因ではなく、複数の要因が複合的に作用する状態を前提にしていることが、この定義からもわかります。
「したくともできない状況」という言葉も注目してください。行きたくない気持ちだけでなく、「行きたいのに体が動かない」という状態も不登校に含まれます。子どもが「行けない自分を責めている」ケースは珍しくありません。
小中約34万6千人+高校約6万9千人の実態
文部科学省「令和5年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」1によると、小・中学校の不登校児童生徒数は約34万6千人(2024年10月発表)。11年連続で増加し、在籍者に占める割合は3.7%です。高等学校でも約6万9千人が不登校状態にあり、こちらも過去最多です。
合計すると小中高で約41万5千人——「不登校は珍しいことではない」という現実を、まずデータで受け止めてほしいと思います。
当サイトには通信制高校在校生・卒業生・保護者から431件の口コミが寄せられていますが、そのうち「不登校だった」と話す方は全体の約25%(108件)にのぼります(当サイト口コミ調べ・n=431)。不登校を経験しながら通信制高校でやり直せた人が、それだけ多くいるということでもあります。
自己肯定感×学校ストレス×家庭環境の3要因フレームワーク
5,000件以上の相談経験と、不登校支援の現場知見から見えてきたことがあります。不登校のほぼすべてのケースは、次の3つの要因の組み合わせで説明できます。
1. 自己肯定感の低さ:「どうせ自分はダメだ」「失敗したらどうしよう」という感覚。これがベースにあると、小さなトラブルでも回復力が落ちます。
2. 学校ストレス:人間関係・学業・部活・先生との関係など、学校生活から生まれる具体的な負荷。これが「きっかけ」になることが多いです。
3. 家庭環境:家庭の安心感・親子関係・家族間のコミュニケーション。不安な家庭では学校のストレスが逃げ場を失います。
「1つの原因を特定して解決する」のではなく、「この3つのバランスを整える」視点で考えることが、不登校への向き合い方を変える第一歩です。
アドラー心理学では「勇気をくじかれた状態が不登校」と説明します。子どもの本来の活力が、複数の要因によって奪われていく——それが不登校の正体です。つまり、回復とは「勇気を取り戻すプロセス」でもあります。
「きっかけ」と「原因」は違う
よくある誤解があります。「友達とトラブルになって不登校になった」という場合、「トラブル」が原因のように見えますが、それは「きっかけ」にすぎないことがほとんどです。
友達とのトラブル(きっかけ)が起きたとき、普段から自己肯定感が高く、家庭の安心感もある子は、多少落ち込んでも回復できます。でも、もともと自己肯定感が低く、親との関係も緊張していた子の場合、同じきっかけでも立て直せなくなります。
不登校の本当の「原因」は、きっかけよりずっと前から積み重なっていることが多いのです。「突然不登校になった」と感じる親御さんは多いですが、心理的には以前からその状態が始まっていたケースがほとんどです。
不登校の原因ランキング【2025年最新版】|文部科学省データで見る9つの理由
ご注意:以下のランキングは文部科学省の調査にもとづくデータです。これは「学校が把握・認識した要因」であり、本人・保護者の感じる理由とは異なる場合があります。子ども自身が言えない本音については、後半の「なぜ行けないか自分でもわからない」セクションで詳しく解説しています。
文部科学省の令和5年度調査では、不登校の要因(学校が認識したもの)として以下の項目が報告されています。複数回答可のため合計は100%を超えます。
1位:無気力・不安(約49.7%)——一番多い原因の正体
約半数の不登校に「無気力・不安」が関わっています。しかしこれは「原因」というよりも「状態の表れ」です。
無気力・不安が前面に出るとき、その奥には必ず別のストレスが潜んでいます。友達関係の疲れ、授業についていけない焦り、完璧主義による燃え尽き——こういった「水面下の原因」が積み重なった結果として、無気力・不安が表面に出てきます。
「なぜ元気がないの?」と聞いても「わからない」という答えが返ってくるのはこのためです。子ども自身も、自分の状態の根本原因を言語化できていないことがほとんどです。
2位:学校の人間関係・いじめ
友人関係のトラブル、グループ内の孤立、SNSでの陰口——「学校の人間関係」は、特に中学生の不登校で大きな割合を占めます。
注意したいのは、子どもが「いじめではない」と言う場合でも、実際は関係性のストレスが積み重なっているケースが多いことです。直接的ないじめがなくても、「クラスに自分の居場所がない」という感覚だけで、学校に行けなくなることはよくあります。
当サイトに寄せられた431件の口コミのなかにも、「いじめ→転校」という経緯を持つ方が21件(約5%)いらっしゃいます(当サイト口コミ調べ・n=431)。実際の相談ではいじめを「隠して」相談に来るケースが多く、もっと多くの方がこの原因で苦しんでいると感じています。
3位:学業不振・授業についていけない
成績が落ちる→自信がなくなる→学校に行くのが怖くなる——このサイクルは特に真面目な子に起きやすいです。「できない自分を見られたくない」という思いが、登校を妨げます。
学習の遅れは放置すると雪だるま式に積み重なります。不登校が長期化する一因でもあるため、早期の学習サポートが重要です。
4位:生活リズムの乱れ(スマホ・ゲームとの関係)
夜更かし→朝起きられない→学校に行けない——このパターンは「生活習慣が原因」と見えますが、実際は逆のことが多いです。学校に行きたくない心理的なストレスから逃げるためにスマホやゲームに没頭し、結果として生活リズムが崩れるケースがほとんどです。
スマホを取り上げれば解決する問題ではありません。「なぜ逃げ込みたいのか」という根本に向き合うことが先です。
5位:家庭環境・親子関係
親の離婚や別居、家庭内の不和、きょうだいとの関係——家庭環境が不安定だと、子どもは安心の拠り所を失います。学校でのストレスは家庭の安心感があってこそ回復できるため、家庭環境の悪化は不登校リスクを高めます。
「自分の気持ちを安心して表現できる状態」のことです。不登校の子どもに最も必要なのは、家庭の心理的安全性です。叱られる・責められる・比べられる家庭では、子どもは本音を言えなくなります。
6位:発達障害・起立性調節障害など身体・心理的な要因
ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)などの発達障害があると、集団生活のルールや人間関係のコミュニケーションでつまずきやすくなります。本人も「なぜ自分だけうまくいかないのか」と悩んでいることが多く、二次的な自己肯定感の低下につながります。
起立性調節障害は、朝に血圧が上がらず体が動かない身体的な疾患です。「怠けている」と誤解されやすいですが、意志の問題ではなく医学的なサポートが必要な状態です。
関連記事:起立性調節障害と不登校について詳しく読む
補足①:「いじめ・友人関係」の内訳と見落とされやすい兆候
いじめを受けている子どもが「いじめられていない」と言うのはよくあることです。「言っても解決しない」「親を心配させたくない」「自分が弱いと思われたくない」という心理が働きます。
見落とされやすい兆候として、以下のようなサインに注意してください。
- 特定の日(曜日・時間割)だけ体調が悪くなる
- スマホをやたらと隠す、突然使わなくなる
- 「〇〇とは話したくない」と特定の人物を避ける
- 持ち物がなくなる・壊れていることがある
- 以前は楽しそうだった学校の話をしなくなった
子どもは「どうせ話しても聞いてくれない」「どうせわかってもらえない」と感じていると、本音を話さなくなります。これらのサインを、「直接言えないSOS」として受け取ってほしいと思います。
補足②:ランキングだけでは見えない「複合的な原因」の実例
5,000件の相談のなかでよくあるケースがあります。
「中学2年の息子が突然不登校になりました。原因は友達とのトラブルだと言いますが、担任は気づいていなかったと言います」
この場合、表面的には「人間関係(2位)」ですが、詳しく聞くと——もともと完璧主義で勉強のプレッシャーを感じていた(3位)、寝つきが悪く睡眠不足が続いていた(4位)、親が頻繁にけんかしていた(5位)——という要因が重なっていることが多いです。
「1つの原因を解決すれば治る」という思い込みを手放すことが、長期化を防ぐ第一歩です。
原因ランキングのポイント
- 最多は「無気力・不安」——これは根本原因ではなく状態の表れ
- 人間関係・いじめは「言えない」ケースが多く実際はもっと多い
- 原因は複数重なって発症するのがほとんど。1つに絞ろうとしなくていい
学年別・不登校の原因はどう違う?小学生・中学生・高校生で比べてみた
不登校の原因は、学年によって大きく異なります。「うちの子に合った向き合い方」を見つけるには、学年ごとの特徴を押さえておくことが重要です。
小学生の不登校原因——親子関係・家庭環境が特に大きい
小学生の不登校は、「家庭環境や親子関係」の影響が他の学年よりも強く出ます。まだ自分の感情を言語化する力が発達していない年齢のため、家庭の不安がそのまま体調不良や登校拒否として現れることが多いです。
よくあるパターンとして「分離不安」があります。親から離れることへの不安が強く、学校に行くと「お母さんに何かあったらどうしよう」という恐怖が起きるケースです。「甘え」と片付けられることもありますが、これは心理的なサポートが必要な状態です。
マズローの欲求5段階説で考えると、小学生の子どもはまだ「所属と愛の欲求(第3段階)」を家庭の中で満たすことが最優先です。家庭が安心の場所であることが、不登校予防の最大の基盤になります。
中学生の不登校原因——人間関係・思春期が重なるピーク
中学生は不登校が最も多い学年です。令和5年度の調査でも、小中学校の不登校のうち6割以上が中学生です。
理由は思春期特有の変化にあります。友人関係が複雑になる、恋愛感情が芽生える、「自分らしさ」を模索する時期——このなかで、集団のなかに溶け込めないつらさや、「自分だけ浮いている」という孤立感が強まります。
小学校から中学校への環境変化で不登校の引き金になりやすい子の特徴:新しい環境への適応が苦手・繊細な気質・完璧主義・対人関係で疲れやすい。入学後2〜3か月は特に変化を観察してください。
部活・定期テスト・受験へのプレッシャーが一気に重なる時期でもあります。複数のストレスが同時にかかることで、それまで元気だった子が突然バランスを崩すことがあります。
高校生の不登校原因——将来への不安と高1クライシス
高校生になると、「将来への不安」が原因として浮上してきます。「この先何をしたいかわからない」「大学に行けなかったらどうなる」という漠然とした不安が、学校生活を続ける気力を奪います。
「高1クライシス」は、中学と高校の環境変化に適応できず、入学直後から不登校になるパターンです。受験でがんばり切った直後に燃え尽き症候群になるケースも少なくありません。
高校生の不登校では、「高校という場所が自分に合っていない」という問題も大きいです。全日制の画一的なカリキュラムが合わない生徒にとって、通信制高校への転学が状況を一変させることがあります。
📢 当サイトに投稿された口コミ
「高校1年の夏から不登校になりました。勉強がついていけなくて、毎朝起きるのがつらくて。通信制に転学して、自分のペースで勉強できるようになって初めて"高校に来てよかった"と思えました」(第一学院高等学校/卒業生)
関連記事:自分に合った通信制高校をランキングで探す
「自分(親)のせいかも」は本当か?原因を正しく理解するために
「もしかして、私の育て方が悪かったのでしょうか」。小谷が5,000件の相談を受けてきたなかで、最も多く耳にする言葉の1つです。
答えを先に言います。親のせい「だけ」ではありません。
罪悪感を抱く親が多い理由
不登校の子どもを持つ親が罪悪感を感じやすいのには、理由があります。
学校の先生から「家庭の様子はどうですか」と問われる。周囲から「過保護なのでは」「厳しすぎるのでは」とアドバイスを受ける。インターネットで調べると「毒親」「過干渉」といった言葉が目に入る——こういった環境が、「自分のせいかもしれない」という思いを強化していきます。
でも、その自責の念が強くなればなるほど、子どもへの接し方が過度に萎縮したり、逆に焦りから「早く学校に行ってほしい」というプレッシャーになって現れたりします。罪悪感は、親にとっても子どもにとっても、回復の邪魔になることがあります。
アドラー心理学では「自己受容」という概念があります。自分の至らなさを認めつつも、それが「今の自分」だと受け入れる姿勢のことです。アドラー心理学の観点から言えば、自己受容が高い人ほど他者への共感力も育まれやすくなります。親御さんが自分を責め続けている間は、子どもも同じように自分を責め続けることになりがちです。



研究が示す実際——3要因のうち親が変えられるのは「家庭環境のみ」
先ほど紹介した3要因フレームワーク(自己肯定感×学校ストレス×家庭環境)に照らして考えると、親が直接コントロールできるのは「家庭環境」だけです。
「自己肯定感」は本人の気質・成長歴・今後の経験で形成されます。親が後悔しても過去は変えられません。「学校ストレス」は学校側の問題も大きく、親がコントロールできる範囲は限られています。
親がいま取り組めることは、「家庭を安心できる場所にすること」です。これは「過去の育て方をすべて変える」という話ではなく、「今日からの向き合い方を少し変える」という話です。
問題は過去にあります。でも解決策は今にあります。
✍️運営者コラム「5,000件の相談現場で見てきた親の自責の弊害」
✍️ 通信制高校カフェ運営者より
相談に来る親御さんのほぼ全員が「私のせいかもしれない」と言います。なかには涙を流しながら話してくださる方もいます。
でも、私が5,000件の相談を通じて見てきたことがあります。自責が強い親御さんほど、子どもへの接し方が不自然になってしまう——これが、子どもをさらに苦しめるケースがある、ということです。
自責は、行動ではなく思考に向かいます。「あの時こうすればよかった」「私がもっと早く気づけばよかった」。でも、今必要なのは後悔ではなく、「今から何ができるか」です。
親御さんが明るく、落ち着いていられるだけで、子どもの回復速度が変わります。自分を責めている時間より、「今日一緒においしいものを食べよう」と思える時間のほうが、子どもにとってはずっと大切だと、相談現場から感じています。
「なぜ行けないか自分でもわからない」|子どもが原因を言えない理由
「子どもに理由を聞いても"わからない"と言うだけ」——この状況に戸惑う親御さんは多いです。でも、子どもが「わからない」と言うのは嘘をついているのでもなく、反抗しているのでもありません。本当にわからないことがほとんどです。
子ども自身が原因を把握できていない理由
心理学に「自己一致・自己不一致」という概念があります(カール・ロジャーズ)。自分の感情や状態を正確に認識して言語化できている状態を「自己一致」、うまく認識できていない状態を「自己不一致」と言います。
不登校の子どもの多くは「自己不一致」の状態にあります。体は「学校に行けない」と反応しているのに、なぜそうなのかを頭で理解できていない状態です。これは子どもの能力の問題ではなく、成長過程で起きることです。
小谷が5,000件の相談を通じて繰り返し実感してきたのですが、不登校は「心理的には前から始まっている」ケースが大半です。体が動かなくなる前から、心はずっとSOSを出し続けていたのですが、子ども自身もそれに気づかないまま時間が経ってしまうことが多いのです。
「人の目が怖い」と言うが土日は外出できる子の心理
「学校には行けないのに、友達と遊びには行くの?」と親が混乱するケースがあります。
これは矛盾ではありません。不登校の子どもが恐れているのは「学校という場所」や「評価される場面」です。友達と気楽に遊ぶ場面は、その条件を満たさないため普通に行動できます。
学校が特に恐怖の対象になる理由は「評価・比較・競争」があるからです。テストで点数をつけられる、クラスメートと比べられる、先生に怒られるかもしれない——こういった「評価のプレッシャー」から離れたいというのが、不登校の実態のひとつです。
「家にいるときは元気なのに、なぜ学校だけ行けないの?」と責めるのではなく、「学校のどの部分が怖いのか」を一緒に探っていく姿勢が大切です。
本音を引き出す対話のコツ
「なぜ学校に行けないの?」という直接的な質問は、多くの場合逆効果です。子どもは「答えられない自分」をさらに責めてしまいます。
「正論しか返ってこないから言えない」——これも相談現場でよく聞く子どもの声です。親が「そんなことで?」「それくらい頑張れ」と返すと、次から子どもは何も話さなくなります。
本音を引き出すには、次のようなアプローチが有効です。
1. 評価しない聞き方をする:「なぜ?」ではなく「最近、学校でどんなことがあった?」という事実を聞く質問から始める。
2. 親自身の感情を開示する:「お母さんもよくわからなくて困ってるんだけど、一緒に考えたいと思って」——親が正直に迷いを見せると、子どもも安心して話せることがあります。
3. タイミングを選ぶ:食事中・就寝前・ドライブ中など、横並びで話せる状況は本音が出やすいです。正面から向き合うと圧迫感が出るため避けましょう。
4. 「わからない」を受け入れる:「わからないよね。そうだよね」と応答するだけでも、子どもは「責められない」と感じて安心します。



「なぜ行けないの?」と直接聞くのが一番逆効果なんです。「今日どんなことがあった?」という問いかけから始めると、不思議と子どもが話し始めることが多いですよ。
カタルシス効果——人に話すことで感情が解放されるこの心理現象——は、子どもにも当てはまります。「聞いてもらえる」という体験が積み重なると、子どもは少しずつ本音を話せるようになっていきます。
原因がわかった後に親がすること|やってはいけない行動と効果的なサポート
原因がある程度わかった後、「では何をすればいいか」という段階です。ここでは、やってはいけない行動と、今日から実践できるサポートを具体的にお伝えします。
勇気くじき13項目チェックリスト
アドラー心理学に「勇気くじき(ディスカレッジメント)」という概念があります。子どもの行動意欲・自信・挑戦する気持ちを奪う言動のことです。不登校の子どもに対して親が無意識にやってしまいがちな13の行動をチェックしてみてください。
| # | やってしまいがちな行動 | 子どもへの影響 |
|---|---|---|
| 1 | 「なぜ学校に行けないの?」と毎日聞く | 「答えられない自分」への罪悪感が増す |
| 2 | 他の子と比べる(「○○ちゃんは行けてるのに」) | 自己評価がさらに下がる |
| 3 | 不登校をなかったことのように振る舞う | 「自分の問題を無視された」と感じる |
| 4 | 無理やり学校に連れて行こうとする | トラウマ記憶が強化される可能性がある |
| 5 | 「将来どうするの」と早急に詰める | 今の余裕がさらに奪われる |
| 6 | 親自身が感情的に泣いたり怒ったりする | 「自分のせいで親が苦しんでいる」と感じる |
| 7 | 学校の先生に丸投げして親は何もしない | 「誰も助けてくれない」という孤立感 |
| 8 | スマホやゲームを取り上げる | 唯一の逃げ場を奪われる(悪化リスク) |
| 9 | 「甘えている」「怠けている」と言う | 自己否定がさらに深まる |
| 10 | 正解を押しつける(「こうすれば解決する」) | 子どもの自律性・解決力が育たない |
| 11 | 兄弟姉妹に「お兄ちゃんを見習って」と言う | 家族関係も悪化する |
| 12 | 学校に無断で問い合わせて状況を変えようとする | 子どもの信頼を損なう |
| 13 | 「早く治して」というプレッシャーをかける | 回復のペースを乱す |
1つでも心当たりがあっても、自分を責めないでください。多くの親御さんが無意識にやってしまっていることです。「できないことをやろうとするより、できることから積み重ねていくほうが、結果として最善・最短でゴールに向かえる」——これは小谷が相談の場で繰り返しお伝えしていることです。
叱ることの神経科学的限界
「厳しく叱れば改善するのでは」と思う方もいるかもしれません。しかし、これは逆効果です。
脳科学の研究では、強いストレスや恐怖を感じると、脳の扁桃体(感情の中枢)が過剰反応し、前頭前野(理性的な判断を司る部分)の働きが低下することが明らかになっています。つまり、厳しく叱られた状況では、子どもは「考える」「改善する」という行動が脳のレベルでできなくなります。
臨床心理士・村中直人氏は著書「〈叱る依存〉がとまらない」(紀伊國屋書店、2022年)のなかで、叱ることは目の前の行動変容には効果があっても、学習効果はほとんどなく同じ問題が繰り返されることを、脳科学的知見に基づいて詳述しています。「叱れば学校に行けるようになる」という考えは、科学的に根拠がないのです。
今日からできる勇気づけ声かけ例
アドラー心理学では「勇気くじき」の反対に「勇気づけ」という概念があります。子どもの自信・意欲・行動力を育てる関わり方です。
特に効果的な3つのフレーズがあります。
「ありがとう」——子どもが何かをしてくれたとき(洗い物を手伝った、ゴミを出した、など)に「ありがとう、助かった」と具体的に伝える。「偉いね」ではなく「ありがとう」。評価ではなく感謝の表現が、子どもの存在価値を育てます。
「嬉しい」——子どもと話せた、一緒に食事できた、笑顔が見られた——こういった小さな事実に「お母さん、それ聞けて嬉しかった」と素直に伝える。子どもは「自分の存在が親を幸せにできる」と感じることができます。
「助かった」——「いてくれて助かった」「話してくれて助かった」——この言葉は「あなたは必要な存在だ」というメッセージになります。不登校の子どもは「自分はいないほうがいい」と感じていることが多い。このフレーズはその感覚に直接働きかけます。
「当たり前だと思って見逃しがちな行為に対して、ありがとうとか嬉しいとか助かったと言ってみましょう。これがまずできる勇気づけです」——これは小谷が相談の場で必ずお伝えしていることです。
相談窓口・専門家への橋渡し
原因がある程度わかったら、一人で抱え込まず専門家に相談することをすすめます。
| 相談先 | 対象 | 特徴 |
|---|---|---|
| 教育支援センター(適応指導教室) | 小中学生 | 市区町村が設置。無料で相談・居場所提供 |
| スクールカウンセラー | 小中高校生 | 学校に配置。相談無料 |
| 子どもの相談窓口(よりそいホットライン等) | 全年齢 | 電話・チャット相談可 |
| 不登校支援NPO・フリースクール | 小中高校生 | 居場所・学習支援を提供 |
関連記事:不登校の親向け無料講座——今日から使える関わり方を学ぶ
親のサポートのポイント
- 「なぜ行けないの?」「他の子は行けてる」は避ける(勇気くじき13項目)
- 厳しく叱ることは逆効果——脳科学的にも安心の環境が回復を速める
- 「行動の強制」より「関係性の修復」が先——焦らず今日一歩を
不登校の次の一歩|回復のステップと通信制高校という選択肢
原因を理解し、家庭での関わり方を変えてきたら、次のステップとして「子どもの回復とこれからの進路」を考えていきます。
学校以外でも「自立への訓練」はできる
「学校に行かないと将来が心配」という不安は、多くの親御さんが持っています。でも、少し考え方を変えてみてください。
アドラー心理学では「学校に行くことが目的ではない。社会的に自立することがゴール」と考えます。文部科学省も「不登校児童生徒への支援は、学校に登校するという結果のみを目標にするのではなく、社会的に自立することを目指す必要がある」と表明しています。
学校で学べること——社会性・規律感・基礎学力——は、学校だけで育つわけではありません。家での読書、地域の活動への参加、自分の好きなことを深める時間——こういった経験も「自立への訓練」になります。
大切なのは「学校に戻ること」ではなく「社会とつながりながら成長すること」です。
回復の4段階を知る
不登校の回復には、おおむね4つのステップがあります。すべての子がこの順序をたどるわけではありませんが、大きな流れとして理解しておくと、焦らずに見守ることができます。
第1段階:エネルギーゼロ期——何もする気が起きない。寝てばかりいる。これは回復のためのエネルギー充電段階です。「充電中」と理解して、無理に動かさないことが大切です。
第2段階:室内で動き出す期——ゲームや動画を楽しむ、家の中を動くようになる。外には出られないが、エネルギーが少し回復してきた段階です。
第3段階:外に出始める期——深夜のコンビニ、家族との外出など、少しずつ外の世界と接触する段階。「お子さんが暇だと言い出したら、エネルギーが溜まってきた証拠です」というサインを見逃さないようにしてください。
第4段階:社会とつながる期——フリースクール、通信制高校、アルバイトなど、学校以外の場で社会とつながり始める。
今、お子さんがどの段階にいるかを見極めて、「次の段階に進もう」と焦らせず、「今の段階でできることを一緒に考える」姿勢が、回復を早めます。
通信制高校という選択肢——不登校経験者65%のデータ
通信制高校には、不登校経験のある生徒が数多く在籍しています。文部科学省の調査(令和5年度)2では、通信制高校在籍者のうち65.1%が小・中学校または前籍校での不登校経験者であることが示されています。
「不登校の子でも通えるの?」という心配は不要です。むしろ、通信制高校は不登校経験者が多数通う環境として整備されており、自分のペースで学べる仕組みが整っています。
週1〜5日の登校日数を自分で選べる学校が多く、オンライン授業で自宅から履修できる学校もあります。高校卒業資格は全日制と同じです。
通信制高校を選んだ先輩の声
📢 当サイトに投稿された口コミ
「中学2年から不登校でしたが、通信制高校に入って初めて"自分のペースで生きていい"と思えました。毎日通学のプレッシャーがなくなっただけで、こんなに気持ちが楽になるとは思っていませんでした」(鹿島学園高校/卒業生)
📢 当サイトに投稿された口コミ
「親に心配かけたくなくて不登校の理由を言えなかったけど、通信制に転学してから先生に初めて本音を話せた。やっと自分を受け入れてもらえた気がした」(N高等学校/在校生)
「不登校をサポートするというのは、子どもと親御さんと一緒にその子の強さを見つける旅」——小谷はそう考えています。通信制高校はその旅の出発点になれる場所です。
まず今日できる3つのこと
「何から始めればいいかわからない」という方へ、今日すぐにできる3つのことをお伝えします。
1. 子どもに「今日はどうだった?」と聞いてみる——答えが「別に」でも構いません。聞いてくれる親がいるという事実が、子どもに安心感を与えます。
2. 通信制高校の資料を取り寄せてみる——今すぐ転学を決める必要はありません。「こういう選択肢もある」と知っておくだけで、焦りが和らぎます。
3. 相談窓口に電話してみる——一人で抱え込まないことが、長期化を防ぐ最大の対策です。スクールカウンセラーや教育支援センターは無料で相談できます。



関連記事:都道府県別に通信制高校を探す
まとめ|不登校の原因を知ることは「責める」ためではなく「寄り添う」ため
不登校の原因は1つではありません。無気力・不安・人間関係・学業不振・家庭環境——これらが複雑に絡み合って起きるのが、ほとんどのケースの実態です。
この記事でお伝えしたかった最も大切なことは、「原因を知ることは、誰かを責めるためではない」ということです。
子どもを責めるためでも、自分を責めるためでも、学校を責めるためでもありません。原因を理解することは「これからどう向き合うか」を見つけるためのものです。
「人は自分の価値、強さを見つけたとき、元気になり、自信になり、前に歩き始めます」。不登校の子どもが本来持っている力を引き出すことが、親御さんにできる最大のサポートです。
不登校の原因は複合的でも、適切なサポートがあれば必ず回復の道があります。通信制高校という選択肢も、多くの不登校経験者に新しい場所を提供してきました。
一人で抱え込まず、まず今日一歩を踏み出してみてください。
関連記事:通信制高校診断——お子さんに合った学校を5問で無料診断
よくある質問(FAQ)
不登校の原因についてよくいただく質問をまとめました。ぜひ参考にしてください。
- 不登校の一番多い原因は何ですか?
-
文部科学省(令和5年度)の調査では、学校が認識した要因として「無気力・不安」が約49.7%で最多です。ただし、これは学校側が把握した数値であり、子ども自身の本音とは異なる場合があります。複数の要因が重なっているケースがほとんどです。
- 不登校は親のせいですか?
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親のせい「だけ」ではありません。自己肯定感・学校ストレス・家庭環境の3要因が複合的に絡み合って起きるのが不登校です。親が変えられるのは「今からの家庭環境」です。過去を後悔するより、「今日から何ができるか」を考えることが回復への近道です。
- 子どもが不登校の原因を言えないのはなぜですか?
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子ども自身が原因を正確に把握できていないことが多いためです。心理学の「自己不一致」という状態にあり、体は反応しているが頭で理解できていない状態です。「なぜ?」と問い詰めず、「わからないよね」と受け入れることが、対話の入口になります。
- 不登校から通信制高校に進学できますか?
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はい。通信制高校在籍者の65.1%が不登校経験者です(文科省調査)。全日制と同じ高校卒業資格を取得でき、自分のペースで学べる環境が整っています。
- 不登校の回復にはどのくらい期間がかかりますか?
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個人差が大きく一概には言えませんが、「エネルギーゼロ期→室内で動き出す期→外に出始める期→社会とつながる期」という4段階をたどることが多いです。焦らず今の段階でできることを積み重ねることが、回復を早める近道です。小谷の相談現場では、家庭での関わり方を変えてから半年〜1年で次の段階に進む方が多い印象です。
失敗しない通信制高校選びのコツ
自分に合った学校を選びやすい通信制高校ですが、残念ながら、「入学したけど、やっぱり合わなかった…」というケースが少なくないのが現状です。
よくある原因として、
- 1つの学校しか検討しなかった
- 親の意向で決めてしまった
- 学校見学にも行かなかった
といったことが原因としてあげられます。
こういった後悔の声に共通しているのは、十分な比較検討をしなかったということです。この失敗を避けるには、複数の通信制高校を比較し、自分に合った学校を慎重に選ぶことが大切です。


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