通信制高校のオンライン授業は、自宅で学べる便利な仕組みですが、オンラインだけで卒業できるとは限りません。卒業には、レポート、スクーリング、試験、必要単位の修得が関わります。
最初に見るべきなのは、授業動画の多さではなく、本人が学習を続けるための支援と、スクーリング会場・日数・費用まで含めた通いやすさです。
先に学校タイプを絞りたい方は、記事末の通信制高校診断から進められます。


不登校で通信制高校を選ぶ注意点
不登校生徒数は毎年過去最高を更新し、その不登校の子どもの受け皿になっている通信制高校。自由度が高いからこそ合った学校も見つけやすく、通信制高校に入ることは、再登校のきっかけにもなりやすいです。
ただし注意して欲しいことがあります。それが
「心のエネルギーが少ない状態のときに学校見学に行くと、最初に行った高校に決めてしまいがち」ということ。
これだと、複数校から検討できていないので、「入学したけど、やっぱり合わなかった…」というケースが少なくないのが現状です。
この失敗を避けるには、不登校の子どもを支える親が、先に複数の選択肢を持っておくことが重要。
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通信制高校のオンライン授業とは
通信制高校のオンライン授業とは、パソコン、スマートフォン、タブレットなどを使い、自宅などから授業動画やライブ授業を受ける学び方です。
ただし、通信制高校はオンライン授業だけで完結する学校制度ではありません。文部科学省の通信制高校情報では、通信制高校の学習方法として、レポート、スクーリング、試験、多様なメディアを使った学習が示されています。
オンライン授業は、このうち「多様なメディアを使った学習」や、学校独自の学習支援の一部として使われます。
| 学習方法 | 内容 | オンラインとの関係 |
|---|---|---|
| レポート | 教科ごとに課題を提出する | Web上で提出できる学校がある |
| スクーリング | 学校・会場で対面授業を受ける | 原則として会場参加が必要 |
| 試験 | 単位認定のために受ける | 会場受験の学校も多い |
| 動画・ライブ授業 | 自宅で授業を受ける | オンライン授業の中心 |
| 面談・学習管理 | 先生やメンターと進度を見直す | ビデオ通話やアプリで行う学校がある |
「オンライン授業がある学校」と「スクーリングが少ない学校」は同じではありません。自宅学習が中心でも、年に数日から複数回、指定会場や本校へ行く必要がある学校はあります。
通信制高校のオンライン授業でできること
オンライン授業でできることは学校によって違います。代表的には、授業動画の視聴、ライブ授業、レポート提出、先生への質問、学習進度の管理、オンライン面談などです。
たとえばN高等学校・S高等学校・R高等学校のネットコースでは、自宅でパソコンやスマートフォンなどを使って学び、動画学習やレポート、メンターとの面談までオンラインで進められる仕組みがあります。
学校によっては、オンライン授業を次のように使います。
| 使い方 | 向いている生徒さん | 見るポイント |
|---|---|---|
| 録画授業 | 体調や生活リズムに波がある生徒さん | 何度も見返せるか |
| ライブ授業 | 家でも先生や生徒と関わりたい生徒さん | 欠席時の扱い、録画の有無 |
| Webレポート | 紙の提出よりオンライン管理が合う生徒さん | 締切通知、添削の速さ |
| オンライン面談 | 通学前に先生と話す練習をしたい生徒さん | 面談頻度、保護者同席の可否 |
| 学習アプリ | 自分の進度を見ながら進めたい生徒さん | 保護者が進度を見られるか |
N高・S高・R高の仕組みを詳しく知りたい方は、N高等学校の口コミ・評判記事も参考にしてください。
オンライン授業のメリット
通信制高校のオンライン授業のメリットは、通学負担を抑えながら、高校卒業に必要な学習へ取り組めることです。
自宅で学べるため通学の負担を減らせる
不登校経験がある生徒さんや、朝の移動が大きな負担になる生徒さんにとって、毎日学校へ通う形は最初の壁になりやすいです。
オンライン授業を使える学校なら、まず自宅で授業を受け、必要な日にスクーリングへ行く形を取りやすくなります。
通学できるか不安な時期は、「毎日通う前提」ではなく「自宅学習から始められるか」を見ます。
授業を見返しながら進められる
録画授業に対応している学校では、分からなかった部分をもう一度見られます。教室の授業で聞き逃しが多い生徒さん、ノートを取るのに時間がかかる生徒さんに合う場合があります。
ただし、動画を見ただけで単位が取れるわけではありません。学校が決めたレポート提出、スクーリング、試験まで進める必要があります。
生活リズムに合わせて学習時間を作りやすい
昼夜逆転が残っている、不安が強い、体調に波がある場合でも、録画授業やWeb教材なら学習時間をずらしやすくなります。
一方で、自由度が高いほど、締切管理は本人任せになりやすいです。先生がどこまで進度を見てくれるか、保護者が進度を見られるかを見ておく必要があります。
オンライン授業のデメリットと注意点
オンライン授業は便利ですが、合わない生徒さんもいます。特に注意したいのは、自己管理、質問のしやすさ、孤立感、スクーリングの負担です。
自分で学習を進める力が必要になる
オンライン中心の学校では、家で授業を受ける時間、レポートに取り組む時間、締切前に提出する流れを自分で作る場面が増えます。
本人が一人で進めるのが難しい場合は、オンライン授業の質だけでなく、担任・メンター・コーチがどの頻度で進度を見てくれるかを比べます。
質問が遅れると分からない部分が残りやすい
教室なら授業後に先生へ聞けても、オンラインではチャット、フォーム、面談予約などの方法になることがあります。
学校資料や学校見学、個別相談では、質問できる時間、返答までの目安、レポート添削の方法をあわせて確認しておきましょう。
友達や先生との接点が少なく感じることがある
オンライン中心だと、クラスメイトと自然に話す機会は少なくなります。イベント、オンライン部活、スクーリング時の交流、任意登校日があるかを見ると、入学後の過ごし方を具体的に想像できます。
ただし、交流を強く求めない生徒さんもいます。友達作りを優先するか、まず卒業までの学習環境を優先するかで、合う学校は変わります。
スクーリングの会場と費用は必ず見る
オンライン中心でも、スクーリングや試験のために本校・指定会場へ行く学校があります。
たとえば、N高等学校は本校が沖縄県うるま市にあり、ネットコースでもスクーリングやテストは別に考える必要があります。第一学院高等学校のMobile HighSchoolは、第一学院高等学校として茨城県高萩市・兵庫県養父市に本校があります。
本校や指定会場が遠方にある場合は、授業料だけでなく交通費も学校選びに入ります。宿泊型・遠方会場の場合は、宿泊費もあわせて見ておきましょう。
出典:第一学院高等学校「Mobile HighSchool」
オンライン中心・通学併用・通学型の違い
通信制高校は「オンライン中心」「週1〜3日ほどの通学併用」「通学型」に分けて見ると、家庭で比べるポイントがはっきりします。
| 学び方 | 特徴 | 合いやすい生徒さん | 注意点 |
|---|---|---|---|
| オンライン中心 | 自宅学習が中心 | 外出負担を抑えたい、生活リズムに波がある | 自己管理、スクーリング会場、質問方法 |
| 通学併用 | 週1日など少ない登校から始める | 家だけだと続かないが毎日通学は重い | 通学日数と学費のバランス |
| 通学型 | 教室で先生や友達と関わる | 生活リズムを作りたい、対面支援がほしい | 費用、距離、教室との相性 |
| サポート校併用 | 通信制高校と別の教室で支援を受ける | レポート管理や不登校支援を厚くしたい | 通信制高校側の学費とサポート費の総額 |
週1通学から始めたい生徒さんは、オンラインだけで探すより、少ない登校日数を選べる学校も候補に入れると合う学校を見つけやすくなります。
登校日数を少なくしたい方は、スクーリングなし・少ない通信制高校の記事も確認してみてください。
オンライン授業が向いている生徒さん
オンライン授業は、学校に行くこと自体が難しい時期の生徒さんや、自分のペースで学びたい生徒さんに合うことがあります。
向いている可能性があるのは、次のような生徒さんです。
- 朝の通学や人混みが強い負担になる
- 教室に入る前に、自宅で学習を再開したい
- 録画授業を見返しながら進めたい
- 体調や生活リズムに波がある
- 好きな活動、通院、アルバイトなどと学習を両立したい
- 先生との面談はオンラインから始めたい
不登校経験がある場合は、オンライン授業の有無だけでなく、途中で通学へ切り替えられるかも大切です。
最初は自宅中心で始め、慣れてきたら週1日だけ登校する。そうした選択肢がある学校なら、本人の状態に合わせて通い方を変えやすくなります。
通信制高校への不安が強い場合は、通信制高校が心配な保護者向けの記事もあわせて読んでみてください。
オンライン授業だけで選ばないための確認ポイント
オンライン授業に強い学校を探すときは、学校資料や学校見学、個別相談で次の項目を見ます。
1. ライブ授業と録画授業の割合
ライブ授業は、その時間に参加する必要があります。録画授業は見返しやすい一方で、後回しになりやすい面があります。
本人が「決まった時間があるほうが動ける」のか、「体調に合わせて時間をずらしたい」のかで、合う授業形式は変わります。
2. レポートの提出方法と締切管理
通信制高校では、レポート提出が単位修得の大事な部分です。オンラインで提出できても、締切に遅れると卒業までのペースに影響します。
学校資料や学校見学、個別相談では、締切通知、未提出時の連絡、保護者が進度を見られる仕組みをあわせて確認しておきましょう。
3. 先生への質問方法
チャットで聞けるのか、ビデオ通話で聞けるのか、登校日にまとめて聞くのか。質問方法は学校ごとに違います。
質問が苦手な生徒さんの場合は、本人から質問しなくても定期面談で困りごとを拾ってもらえるかを見ます。
4. スクーリング会場・日数・交通費
オンライン中心でも、スクーリングは別に考えます。会場が遠い、日数がまとまっている、宿泊が必要になる場合は、本人にも家庭にも負担が出ます。
本校が県外にある学校では、スクーリング会場が自宅から通える場所なのか、遠方会場なのかを必ず確認します。
5. 通学コースへ変更できるか
入学時はオンライン中心が合っていても、半年後、1年後に「少し登校したい」と感じることがあります。
通学コースやキャンパス登校へ変更できる学校なら、本人の状態に合わせて進めやすくなります。
6. 卒業までの費用総額
オンラインコースは通学型より学費を抑えやすい学校もあります。ただし、教材費、端末費、スクーリング交通費、宿泊費、追加サポート費が別になる場合があります。
授業料だけではなく、3年間で必要になる費用を学校ごとに並べて見ます。
オンライン授業に対応している通信制高校の例
ここでは、オンライン中心のコースや自宅学習中心の仕組みを公式情報で見られる学校例を紹介します。地域や年度によって募集条件が変わるため、最新情報は学校資料や個別相談で見てください。
| 学校・コース例 | 特徴 | スクーリング・会場で見る点 |
|---|---|---|
| N高等学校・S高等学校・R高等学校 ネットコース | 動画学習、レポート、面談などをオンラインで進めやすい | スクーリング・テストの会場と日数 |
| 第一学院高等学校 Mobile HighSchool | オンライン中心で学べるコース | 本校・スクーリングの扱い |
| ルネサンス高等学校 | ネット学習中心の通信制高校 | 茨城・愛知・大阪など学校拠点とスクーリング |
| 明聖高等学校 WEBコース | 自宅学習中心で進めるWEBコース | 千葉本校・会場の扱い |
| ID学園高等学校 | オンライン学習と通学型を組み合わせやすい | 本校・キャンパス・登校変更 |
| ワオ高等学校 | オンラインで学ぶ広域通信制高校 | 岡山本校・各拠点・スクーリング |
学校名だけで決めるより、本人の生活リズム、先生への相談しやすさ、スクーリングの距離、卒業までの費用を並べて比べるほうが失敗を減らせます。
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保護者が見るべき3つのサイン
オンライン授業を選ぶとき、保護者が見るべきなのは「家で授業を受けられるか」だけではありません。続けるためのサインを見ます。
1. レポートが止まったときに学校が気づけるか
本人が黙っているうちに、レポート未提出が積み重なることがあります。学校側が学習進度を見て、必要なタイミングで連絡してくれる仕組みがあるかを見ます。
2. 画面越しでも先生と話せるか
オンライン面談があっても、本人が話しにくいと支援につながりません。先生の雰囲気、面談頻度、相談できる内容を学校見学や個別相談で見てください。
3. 自宅以外の居場所も用意できるか
ずっと自宅だけで過ごすと、気持ちが切り替わりにくい生徒さんもいます。必要に応じて、キャンパス登校、スクーリング、地域の学習スペース、フリースクールなども候補に入れます。
中学生や高校生で外に出る練習から始めたい場合は、オンラインフリースクールの記事も参考になります。
よくある質問
通信制高校はオンライン授業だけで卒業できますか?
オンライン授業だけで卒業できるとは限りません。通信制高校では、レポート、スクーリング、試験、必要単位の修得が関わります。オンライン中心の学校でも、スクーリングや試験で本校・指定会場へ行く場合があります。
オンライン授業だと友達はできませんか?
学校によります。オンライン部活、イベント、スクーリング、任意登校日などで交流機会を作る学校もあります。友達作りを重視する場合は、オンライン上の交流だけでなく、リアルイベントや通学日の有無を見ます。
不登校からオンラインの通信制高校へ入っても大丈夫ですか?
不登校経験がある生徒さんに合う場合があります。ただし、自宅学習だけでは続きにくいこともあります。少ない登校日数から始められるか、先生との面談があるか、レポート支援があるかを比べてください。
オンラインコースは学費が安いですか?
通学型より費用を抑えやすい学校もありますが、学校によって違います。授業料のほか、教材費、端末費、スクーリング交通費、宿泊費、追加サポート費まで見ます。
オンライン授業が合わなかったら通学に変えられますか?
学校によります。通学コースやキャンパス登校へ変更できる学校もあれば、最初からコースが分かれている学校もあります。入学前に、途中変更の条件と費用差を見ておきましょう。
通信制高校のオンライン授業は「授業」より「続け方」で選ぶ
通信制高校のオンライン授業は、自宅から学びを再開できる心強い選択肢です。ただし、卒業まで見るなら、動画授業の見やすさだけでは足りません。
レポートを出せるか。先生に質問できるか。スクーリング会場へ行けるか。費用を3年間で見られるか。この4つまで比べると、本人に合う学校が見つけやすくなります。
まずはオンライン中心校、週1通学併用、通学型の3タイプを分け、気になる学校を2〜3校に絞って資料を見てください。学校資料と個別相談では、授業形式、レポート支援、スクーリング会場、卒業までの費用をあわせて確認しておきましょう。
自分に合う学校タイプを先に知りたい方は、通信制高校診断を使ってみてください。
不登校で通信制高校を選ぶ注意点
不登校生徒数は毎年過去最高を更新し、その不登校の子どもの受け皿になっている通信制高校。自由度が高いからこそ合った学校も見つけやすく、通信制高校に入ることは、再登校のきっかけにもなりやすいです。
ただし注意して欲しいことがあります。それが
「心のエネルギーが少ない状態のときに学校見学に行くと、最初に行った高校に決めてしまいがち」ということ。
これだと、複数校から検討できていないので、「入学したけど、やっぱり合わなかった…」というケースが少なくないのが現状です。
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