以前、「通信制高校では自殺者が急増しているのだから、通信制への進学はできるだけ避け、ほかの進路を徹底的に探すべきだ」という趣旨のメッセージをいただきました。
通信制高校そのものを避けるべきだと受け取れる、かなり強い内容です。
こうした情報を見れば、通信制高校を検討している中学生や保護者の方が不安になるのは当然です。もし、通信制高校に進学すること自体が自殺のリスクを高めるのであれば、学校選びの前提から考え直さなければなりません。
ただ、自殺に関する数字は、実際の人数と死亡率、二つの出来事が同時に見られることと、片方が原因になっていることを分けて読む必要があります。強い言葉だけが一人歩きすると、必要な支援を考える機会を失うだけでなく、通信制高校で学ぶ生徒に「自分たちは危険な集団なのか」という新たな不安を与えかねません。
今回は、2026年に医学誌『JAMA Network Open』で発表された論文と、警察庁・文部科学省などの公的資料をもとに、「通信制高校の自殺者が爆増している」という話はどこまで事実なのかを解説します。
僕は通信制高校の卒業生で、これまで不登校・通信制高校に関する相談を5000件以上受けてきました。その経験も踏まえながら、研究から分かっていることと、まだ分からないことを分けてお伝えします。
※この記事では、児童生徒の自殺に関する統計を扱います。具体的な手段や場所については記載していません。読むのがつらいと感じた場合は、無理に読み進めないでください。記事の最後に相談先を掲載しています。

こたにりょうた数字が高いことは重く受け止める必要があります。ただ、数字だけで「通信制高校が原因」と決めつけるのではなく、何が分かっていて、何がまだ分からないのかを分けて見てください。
この記事でわかること
- 「32.5人」が何を表す数字なのか
- 定時制・通信制の死亡率が全日制の約4.17倍だった理由の読み方
- 不登校と自殺について研究から分かっていること
- 夏休み明けに自殺が増える傾向はあるのか
- 子どもが学校を拒んでいるとき、家庭で避けたい対応
失敗しない通信制高校選びのコツ
自分に合った学校を選びやすい通信制高校ですが、残念ながら、「入学したけど、やっぱり合わなかった…」というケースが少なくないのが現状です。
よくある原因として、
- 1つの学校しか検討しなかった
- 親の意向で決めてしまった
- 学校見学にも行かなかった
といったことが原因としてあげられます。
こういった後悔の声に共通しているのは、十分な比較検討をしなかったということです。この失敗を避けるには、複数の通信制高校を比較し、自分に合った学校を慎重に選ぶことが大切です。


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結論|「爆増」は言い過ぎ。ただし、高い死亡率は軽視できない
最初に結論をお伝えします。
「通信制高校の自殺者が爆増している」という表現は、正確ではありません。
国の自殺統計で分かるのは「定時制・通信制」を合わせた数字です。通信制高校だけの自殺者数は公表されていません。また、教育課程別の集計が始まったのは2022年であり、長期的な増加を判断できるほどの年数もありません。
一方、2022年から2024年にかけて、定時制・通信制の自殺者数と自殺死亡率が上昇したことは事実です。2022~2024年の自殺死亡率は生徒10万人あたり32.5人で、全日制の7.8人に対して約4.17倍でした。
最新の2025年は、定時制・通信制の自殺者が123人でした。2024年の125人から2人減っています。現在も増え続けているというより、非常に高い水準が続いていると表現するのが妥当でしょう。
そして、定時制・通信制の自殺死亡率が全日制の約4.17倍だったことも、軽く扱ってよい数字ではありません。ただし、これは「通信制高校へ進学すると、自殺の危険が4.17倍になる」という意味ではありません。比較している生徒の背景が大きく異なるためです。
この研究が示しているのは、通信制高校を避けるべきだという結論ではありません。定時制・通信制に在籍する生徒へ、これまで以上に手厚い支援が必要だという警告です。
最初に押さえたい結論
- 通信制高校だけの自殺者数は公表されていない
- 2022〜2024年の定時制・通信制の死亡率は高い
- 高い死亡率だけで、通信制高校が原因とは判断できない
「32.5人」は通信制高校だけの数字ではない
2026年5月、いのち支える自殺対策推進センターの研究グループが、高校の教育課程別に自殺死亡率を比較した論文を発表しました。分析対象は2022~2024年に亡くなった高校生です。
| 年 | 全日制の自殺者数 | 全日制・10万人あたり | 定時制・通信制の自殺者数 | 定時制・通信制・10万人あたり |
|---|---|---|---|---|
| 2022年 | 259人 | 8.8人 | 89人 | 28.7人 |
| 2023年 | 214人 | 7.4人 | 114人 | 34.0人 |
| 2024年 | 207人 | 7.2人 | 125人 | 34.5人 |
| 2022~2024年 | 680人 | 7.8人 | 328人 | 32.5人 |
出典:Suicides and High School Program Types in Japan(JAMA Network Open)
32.5人は「生徒10万人・1年あたり」の死亡率
32.5人は、2022~2024年の定時制・通信制の自殺者328人を、3年間の延べ生徒数約100万8000人で割って算出した「生徒10万人・1年あたりの自殺死亡率」です。
実人数は、定時制と通信制を合わせて3年間で328人です。
警察庁は定時制と通信制を一つに集計している
警察庁の自殺統計では、高校生を次の区分で集計しています。
- 全日制
- 定時制・通信制
- 特別支援学校
- その他・不詳
定時制と通信制の内訳は公表されていません。そのため、通信制高校だけの自殺者数や自殺死亡率は、現在の国の統計からは算出できません。
通信制課程の生徒数は、2015年度の約18万人から2025年度には30万人を超えるまで増えています。その一方で定時制の生徒は減少傾向にあるため、「定時制・通信制」の中で通信制が占める割合は大きくなっていると考えられます。それでも、内訳がない数字を「通信制高校の自殺死亡率」とは呼べません。
2022年から増えたが、2025年はわずかに減っている
定時制・通信制の自殺者数は、2022年の89人から2024年には125人となり、約40%増えました。同じ期間に生徒数も約31万人から約36万人へ増えていますが、生徒数の増加を考慮した自殺死亡率も28.7人から34.5人へ約20%上昇しています。
つまり、2024年までの増加は、生徒数が増えたことだけでは説明がつきません。
ただし、警察庁の2025年確定値では、定時制・通信制の自殺者は123人でした。2024年より2人少なくなっています。
| 年 | 定時制・通信制の自殺者数 |
|---|---|
| 2022年 | 89人 |
| 2023年 | 114人 |
| 2024年 | 125人 |
| 2025年 | 123人 |
2022年から2024年に増加したのは事実です。しかし、4年分しかない統計から「爆発的な増加が続いている」と断定するのは早計です。
4.17倍でも「通信制へ行かないほうがよい」とは言えない
定時制・通信制の自殺死亡率32.5人は、全日制の7.8人に対して約4.17倍です。統計的にも無視できない差が確認されています。
それでも、「通信制高校に通うと自殺の危険が4倍になる」とは読めません。
自殺死亡率の約4倍という比較は、教育課程ごとの死亡者数と在籍者数から算出した値です。年齢、精神疾患、不登校歴、家庭環境など、生徒一人ひとりの条件をそろえて比較した数字ではありません。
論文によると、自殺で亡くなった定時制・通信制の生徒には、全日制とは異なる特徴が見られました。
| 亡くなった生徒について警察統計で把握された情報 | 全日制 | 定時制・通信制 |
|---|---|---|
| 精神科への通院歴 | 20.4% | 61.3% |
| 過去の自殺未遂 | 16.6% | 43.3% |
| 原因・動機に健康問題を含む | 18.4% | 52.4% |
| 原因・動機に学校問題を含む | 50.9% | 30.2% |
定時制・通信制には、入学前から心身の不調や生活上の困難を抱えてきた生徒が多く在籍しています。
教育課程そのものがリスクに影響したのか、もともと支援を必要とする生徒が多く在籍しているためなのか。今回の研究では判別できません。
たとえば、心身の不調を抱える人が多い集団と、そうではない集団の結果をそのまま比べれば、もともとの状態の違いも数字に表れます。だからといって、定時制・通信制の環境に問題がないと断定することもできません。分かっているのは「在籍している生徒の死亡率が高い」というところまでです。
通信制高校への進学が自殺の危険を高めるのかを確かめるには、不登校歴、心身の状態、家庭環境、年齢などが近い生徒を追い、全日制へ進んだ場合、定時制・通信制へ進んだ場合、高校へ進学しなかった場合を比べる必要があります。今回の研究は、そこまでを調べたものではありません。
したがって、この4.17倍という数字から「通信制高校が原因で自殺が増える」とも、「通信制高校に問題はない」とも言えません。数字を見て取るべき行動は、通信制高校を一律に避けることではなく、支援を必要とする生徒が多い前提で、相談や見守りが実際に届く学校かを確かめることです。
4.17倍という数字の読み方
- 教育課程ごとの集団を比較した数字
- 心身の状態や家庭環境などをそろえた比較ではない
- 学校選びでは、相談や見守りが届く仕組みを確認する



4.17倍という数字は、見過ごしてよいものではありません。ただし、本人の背景をそろえた比較ではないため、「通信制へ行くと4倍危険」と読むのも違います。
なお、ここでいう「原因・動機」は、遺書などの資料や家族の証言をもとに警察が把握した情報です。本人の心の中にあった要因をすべて捉えたものではありません。自殺の背景には、通常、複数の問題が重なっています。
研究者は、定時制・通信制では教員やほかの生徒と日常的に会う機会が少なくなりやすく、孤立や心身の変化を早く見つけにくい可能性を挙げています。ただし、今回の研究で原因として証明されたわけではありません。
通信制高校は、困難を抱えた生徒を受け入れる大切な受け皿になっています。その役割に対して、相談・福祉・医療につなぐ人員や仕組みが足りているのか。この点こそ、学校や社会が向き合うべき問題です。
不登校と通信制高校は同じものではない
不登校は、学校へ通えない、または通わない状態や経験を指します。通信制高校は、学ぶ時間や場所を柔軟に選べる高校の教育課程です。重なる生徒は多くいますが、同じものではありません。
文部科学省の2025年度調査では、通信制高校への入学者の57.0%が「中学3年生のときに不登校だった」と回答しています。
逆にいえば、43.0%は中学3年生のときの不登校に当てはまりません。「通信制高校の生徒は全員、不登校を経験している」という見方は事実と異なります。
中3の不登校と自殺死亡率は直接結びつけられない
半数を超える数字ですが、自殺死亡率32.5人との直接的な関係を示すデータはありません。
57.0%は、通信制高校に入学した生徒を対象とした実態調査です。一方、自殺死亡率は警察庁の自殺統計と学校基本調査を使って算出されています。亡くなった生徒が中3時点で不登校だったかどうかを、一人ずつ追跡したデータではありません。
別々の調査から出た二つの数字をつなげても、「中3不登校が通信制高校の自殺率を高めている」という根拠にはなりません。
不登校と自傷行為・「死にたい」という気持ちには関連がある
海外で行われた複数の研究結果をまとめて検討した論文では、欠席が多い子どもほど、自傷行為や「死にたい」という気持ちを経験する割合が高い傾向にありました。
ただし、不登校が原因だとまでは分かっていません。
うつや不安、いじめ、家庭問題、発達上の困難などが先にあり、その結果として登校できなくなっているケースがあるためです。不登校が自殺リスクを高める場合もあれば、心身の危機が不登校として表れている場合もあります。つらい学校環境から離れることが、本人を守ることもあります。
不登校を自殺の原因と決めつけないことが重要です。本人が何から身を守ろうとしているのか、心身の不調や孤立がないかを知るためのサインとして受け止める必要があります。
不登校について大切な見方
- 不登校と通信制高校は同じものではない
- 不登校だけを自殺の原因とは決められない
- 心身の不調やいじめなど、背景にある問題を確認する
出典:School absenteeism as a risk factor for self-harm and suicidal ideation in children and adolescents
日本の事例調査でも、不登校は複数ある背景の一つだった
いのち支える自殺対策推進センターが、学校などから資料提供を受けた138事案を調べたところ、27事案、19.6%に不登校が確認されました。27事案のうち20事案では、不登校が亡くなる1年以上前に始まっていました。
ただし、この138事案は調査対象となった自殺事案全体の約7%にすぎません。また、27事案のうち少なくとも14事案では、亡くなる前に不登校状態の解消が確認されています。
同じ事案の中には、家庭環境、孤立、学習困難、進路問題、精神疾患など複数の背景がありました。比較的多く見られた組み合わせの一つが「不登校と精神疾患」です。
不登校だけを一つ取り出して、自殺の原因とみなすのは危険です。複数の問題が重なっていなかったかを見る必要があります。
夏休み明けに自殺が増える傾向は確認されている
「夏休み明けに子どもの自殺が増える」という話には、統計上の根拠があります。
1974~2014年の全国データを分析した研究では、夏休みが終わる時期に、中学生の自殺は7月の基準週と比べて2倍以上、高校生は約40%増えていました。
こども家庭庁が2009~2023年の日別データを調べた資料でも、8月後半から増え始め、特に9月1日に多くなる傾向が示されています。夏休みが早く終わる北海道・東北では、ピークもほかの地域より約2週間早くなっていました。学校が再開する時期と自殺が増える時期には、一定の関連があると考えられます。
ただし、この結果も「学校再開だけが原因」と証明したものではありません。2025年の高校生の自殺者数は、1月と9月がともに40人で最多でした。毎年9月だけが突出するわけでもありません。
また、これらは小中高生全体、または高校生全体のデータです。登校日やスクーリングの時期が学校ごとに異なる通信制高校でも同じ傾向があるかは分かっていません。
出典:School and seasonality in youth suicide: evidence from Japan、こどもの自殺対策に係る取組について
子どもが学校を拒んでいるとき、家庭まで逃げ場をなくさない
ここからは、不登校・通信制高校に関する相談を5000件以上受けてきた立場から、どうしても伝えておきたいことがあります。
相談の中には、学校に行けなくなった子どもに対して、保護者が「高校には絶対に行ってほしい」「通信制でもいいから進学してほしい」と強く迫ってしまうケースがあります。中には、「高校に行かないなら家から出て行け」と言われた子もいました。
保護者の方も、子どもの将来が心配だからこそ焦ってしまいます。進学しないまま時間が過ぎることへの不安や、「今ここで動かさなければ」という思いがあるのだと思います。
ただ、本人が学校を強く拒んでいるときに、無理やり見学へ連れて行ったり、本人が望んでいない学校へ進学させたりするのは慎重でなければなりません。学校ですでに苦しい思いをしている子どもにとって、家庭は最後に戻れる場所です。その家庭でも進路を責められ、居場所まで失ったと感じれば、本当に逃げ場がなくなってしまいます。
学校へ戻すための制限が、家庭の居場所を奪うこともある
以前、僕はYouTubeで、短期間に高い再登校率を掲げる不登校支援について取り上げました。
動画内では、再登校を目標にする支援の一例として、学校にいるはずの時間は家でも自由に過ごさせず、ゲームやスマホなどを制限する方法を紹介しています。ゲームをやめないなら食事を出さない、学校へ行かないならスマホを触らせない、といった対応です。
こうした支援で学校へ戻れる子がいる可能性は否定しません。しかし、本人がなぜ学校へ行けないのか、今どれほど追い詰められているのかを確かめないまま、再登校だけをゴールにして生活を制限することには大きな危険があります。
実際、僕の相談窓口には、ある不登校支援団体のサポートを受けたものの、その後お子さんが自殺未遂をし、僕のところへ相談に来られた保護者が何人もいました。
これは僕が受けた相談事例であり、全国の状況を表す統計ではありません。その団体の支援が自殺未遂の直接の原因だったとも、個別相談だけからは断定できません。
それでも、本人の気持ちを十分に確かめず、再登校を唯一の成功とみなして生活を制限する対応が広がることは、子どもの孤立や「もう逃げ場がない」という感覚を強めるおそれがあります。僕は、こうした不登校対応が子どもの自殺の増加にも関わっている可能性があると考えています。現時点では、この考えを直接裏づける研究は確認できていません。
文部科学省も、不登校支援は「学校に登校する」という結果だけを目標にせず、子ども自身が進路を主体的に考え、社会的に自立することを目指す必要があると示しています。登校を目指すこと自体が悪いわけではありません。本人の安全や意思よりも、再登校という結果を優先しないことが重要です。
再登校を急ぐ前に確認したいこと
- 本人が学校へ行けない理由を言葉にできる状態か
- 家庭が安心して休める場所になっているか
- 生活上の制限が本人をさらに追い詰めていないか



進学先を決めるより先に、家庭を逃げ場として残してください。本人が動けない時期は、保護者だけで相談や情報収集を進めても大丈夫です。
関連動画:不登校を3週間で90%解決の闇|不登校の9割は親が解決できるのか?
日本の中高生2万2419人を調べた研究でも、親との関係に強いストレスを感じていることと、「死にたい」という気持ちや自殺未遂との間に関連が見られました。親の言葉が自殺を直接引き起こすと証明した研究ではありません。それでも、家庭での孤立や親子関係の悪化を軽く考えてはいけないことは分かります。
出典:Prevalence and associated factors of suicidality in Japanese adolescents
自殺は、一つの言葉や一つの出来事だけで起きるものではありません。だからこそ、子どもが追い詰められているときは、新たな圧力を加えないことが大切です。学校へ戻すことや進学先を決めることより先に、「家にいていい」「今すぐ決めなくていい」と伝え、家庭を安全な場所にしてほしいと思います。
進路は本人の心の体力に合わせて進める
通信制高校は、不登校を経験した子どもにとって有力な選択肢です。ただし、「全日制に行けないなら通信制」という形で本人に押しつければ、通信制高校もまた苦しい場所になってしまいます。
本人が学校の話を聞ける状態なのか。見学へ行けるほど心の体力が戻っているのか。今は休むことが必要なのか。まずはそこを見てください。本人が動けない時期は、保護者だけで資料を集めたり、相談を受けたりしても構いません。本人を急いで決断の場へ連れ出す必要はありません。
進学するかどうかも含めて、本人の気持ちを置き去りにしないことが大切です。高校進学を少し先送りする、体調の回復を待つ、学校以外の支援先につながるなど、その子に合った進み方があります。
通信制を避ければ解決する問題ではない
定時制・通信制の自殺死亡率が全日制より高いことは、重く受け止める必要があります。特に2024年の女子は、生徒10万人あたり43.3人で、全日制女子の約6.28倍でした。
ただ、この数字から「通信制高校は危険だから避けるべきだ」とは結論づけられません。比較する生徒の背景をそろえた研究ではなく、通信制高校へ進んだことが原因だとは分かっていないからです。
通信制高校には、不登校、いじめ、心身の不調、家庭事情などを経験し、全日制では学び続けることが難しかった生徒が数多く進学しています。通信制高校がなければ、高校教育とのつながりそのものを失っていた生徒もいるはずです。
一方で、「通信制高校なら安心」と考えるのも違います。通学する日が少ない学校では、心身の変化に教職員が気づく機会も少なくなりやすいため、相談のしやすさ、担任との連絡頻度、スクールカウンセラーなどへのつながり方を入学前に確認する必要があります。
「通信制は危険だから避ける」も、「通信制なら安心」も、どちらも違います。 高い死亡率を見なかったことにせず、数字だけで通信制高校を一律に排除もしない。本人の今の状態と、入学後に支援が届く仕組みの両方を見て判断する必要があります。
学校選びで確認したい支援
- 担任や相談担当との連絡頻度
- スクールカウンセラーや医療・福祉へのつながり方
- 欠席や学習停滞が続いたときの学校側の対応
「通信制高校の自殺者が爆増している」という強い言葉だけで学校選びを決めず、本人が安心して学び続けられるか、困ったときに助けを求められるかを具体的に確かめてほしいと思います。
参考資料
- Suicides and High School Program Types in Japan(JAMA Network Open)
- 高校教育課程別の自殺の実態に関する論文を公開(いのち支える自殺対策推進センター)
- 令和7年中における自殺の状況(警察庁)
- こどもの自殺の多角的な要因分析に関する調査研究
- School absenteeism as a risk factor for self-harm and suicidal ideation in children and adolescents
- School and seasonality in youth suicide: evidence from Japan
- Prevalence and associated factors of suicidality in Japanese adolescents
- 不登校児童生徒への支援の在り方について(文部科学省)
- 不登校を3週間で90%解決の闇|不登校の9割は親が解決できるのか?(YouTube)
- WHO自殺報道ガイドライン(厚生労働省)
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