全日制高校と通信制高校の大きな違いは「学習の仕方」にあります。全日制高校では毎日学校に通って授業を受けますが、通信制高校では、
- ①レポート学習
- ②スクーリング（対面授業）
- ③テスト（単位認定試験）
の3つを軸に学習が進められます。
①のレポート学習は、通信制高校の基本となる学習方法で、教材を使って自宅などで課題に取り組みます。
②のスクーリングは、レポートだけでは補いきれない部分を学校に通って行う対面授業で学び、理解を深めます。
そして、③のテスト（単位認定試験）は、学んだ内容の成果を確認するために行われ、単位取得の条件となります。
このように、①レポート学習、②スクーリング、③テストの3つを通じて単位を修得していくのが通信制高校の学習スタイルです。
不登校で通信制高校を選ぶ注意点
不登校生徒数は毎年過去最高を更新し、その不登校の子どもの受け皿になっている通信制高校。自由度が高いからこそ合った学校も見つけやすく、通信制高校に入ることは、再登校のきっかけにもなりやすいです。
ただし注意して欲しいことがあります。それが
「心のエネルギーが少ない状態のときに学校見学に行くと、最初に行った高校に決めてしまいがち」ということ。
これだと、複数校から検討できていないので、「入学したけど、やっぱり合わなかった…」というケースが少なくないのが現状です。
この失敗を避けるには、不登校の子どもを支える親が、先に複数の選択肢を持っておくことが重要。
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違い①単位制の仕組み
高校の仕組みには「学年制」と「単位制」の二つの大きな制度があります。多くの全日制高校では「学年制」が採用されており、通信制高校のほとんどは「単位制」を導入しています。
「学年制」とは、1年間で取得すべき単位数が決められていて、そのすべての単位を修得することで次の学年に進む仕組みです。もし1科目でも単位を修得できないと、原則としてその学年を最初からやり直す必要があり、これがいわゆる「留年」となります。
一方、「単位制」は、「卒業までの3年以上の間に必要な単位をすべて修得すれば良い」という柔軟な仕組みです。この制度では、仮に科目の単位を一部落としてしまっても、翌年以降に再履修して修得すれば問題ありません。そのため、「留年」という考え方がないのが特徴です。
通信制高校は、この「単位制」の仕組みに加えて、通学の負担を減らし、自宅での学習を中心に進められる通信制の特徴を取り入れています。そのため、生徒は自分のペースで学習を進めることができ、無理なく学校生活を送ることができます。
違い②登校日数と自由な時間
通信制高校は、年間の登校日数がおおよそ20日程度と少なく、自由な時間が多いのが特徴です。たとえば、25単位を履修する場合、この日数が目安となります。一方で、全日制高校は週に5日間通学するのが基本で、年間では190日から200日ほど登校します。この違いにより、通信制高校の生徒は、自分のペースで学習しながら、「自由時間」を有効に使える点が大きなメリットです。
通信制高校の生徒は、自由な時間を活用してアルバイトをしたり、学校外の活動に参加したり、大学受験に向けた勉強に集中するなど、自分の目標に合わせた生活を送ることができます。登校日が少ないため、無理なく計画を立て、自分のペースで進めることができるのも魅力です。
さらに、私立の通信制高校では、こうした自由時間をより有意義に使えるよう、専門的なプログラムや手厚いサポート体制を整えています。たとえば、興味のある分野に特化した学習プランを用意したり、将来の進路を見据えたキャリアサポートを行ったりする学校もあります。教育面では、日常的な通学の機会を提供するほか、専門的な授業や学び直しの場を設けるなど、生徒一人ひとりに合った支援が行われています。
環境面でも、生徒が安心して学べるよう工夫されています。クラス活動やオンライン学習、少人数制の授業、部活動、個別サポート、各種イベントなど、多彩なプログラムが用意されており、生徒は自分に合った学びのスタイルを選ぶことができます。
これらの取り組みにより、生徒は自分のライフスタイルに合わせた通学パターンを選択できるだけでなく、学校生活を通じて幅広い経験を積み、成長することができます。自分らしい学び方で個性を伸ばしながら、将来に向けた準備ができるのも、私立の通信制高校ならではの魅力です。
違い③自宅や通いやすい拠点で学べる
私立の通信制高校では、通信教育を基本にしながらも、生徒が安心して毎日の学びを進められるよう、通学サポートや学習のフォロー体制を整えています。多くの学校では、生徒が無理なく通えるように、本校とは別の場所に学習施設を設けており、気軽にサポートを受けられる環境が整っています。
さらに、オンラインでのサポートも充実しているため、遠方に住んでいる方や、外出が難しい事情がある方でも、自宅にいながら安心して学習を続けることができます。このような仕組みのおかげで、場所にとらわれず、自分のペースに合わせた学びが可能になっています。
通信制高校には、「広域通信制高校」と「単位制通信制高校」という2つのタイプがあります。広域通信制高校は、全国各地から入学できるのが特徴で、各地域に学習拠点が設けられています。これにより、生徒は自宅の近くで必要なサポートを受けられるほか、拠点によってはスクーリング（対面授業）が行われる場所もあり、直接先生から教わる機会もあります。
また、広域通信制高校の大きな魅力は、全国に拠点があることで、地域に関係なく、さまざまな学校の教育プログラムを選べる点です。一人ひとりのニーズに合わせた学習スタイルが用意されており、自分に合った方法で無理なく学びを深めることができます。
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