お子さんがベッドから起き上がれなかった——その朝のつらさを抱えている保護者の方へ。
夏休み明けの不登校は、原因が6種類に分類できます。今日からとれる対応を原因別に整理しました。
「今日だけは休む」が1週間になり、「もう行けないかもしれない」という言葉が出てきた。「無理に行かせるべきか、それとも休ませるべきか」——そう悩みながら、毎朝の登校時間をやり過ごしている。今後の進路はどうなるのか。その焦りと不安が、親御さん自身を追い詰めていきます。
夏休み明けは1年で最も不登校が増える時期です。原因は6つに分類でき、それぞれ対処法が異なります。「どう声をかければいいか」「病院に行くべきか」「学校に相談すべきか」——この記事を読めば、今日からとれる行動が具体的にわかります。運営者の小谷自身が通信制高校の卒業者であり、300校以上の取材実績と5,000件を超える相談対応を踏まえて執筆しました。
通信制高校カフェには、毎年8月下旬から9月にかけて「夏休み明けに学校に行けなくなった」という相談が急増します。この記事は、通信制高校カフェ運営者・小谷が5,000件超の相談対応をとおして繰り返し受けてきた質問と、保護者が知っておくべき情報をすべて整理したものです。
まず5分だけ、お時間をください。「今どの状況か確認したい」という方は、記事冒頭の診断ツールから始めるとスムーズです。お子さん本人にもぜひ読ませてあげてください。
この記事は、保護者向けセクションと、お子さん本人向けセクションの2部構成になっています。前半では保護者の方に向けた対応方法を、中盤ではお子さん本人へのメッセージをまとめています。前半を親御さんがお読みいただき、該当セクションは「ここから読んでみて」とお子さんに直接渡せる構成にしました。
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この記事でわかること
- 夏休み明けに不登校・行き渋りが起きる6つの原因とタイプ別の対処法
- 不登校の前兆・SOSサインを見逃さないための行動・身体症状チェックリスト
- 今日からできる親の対応ロードマップ(今週〜1か月)と絶対NG言動5つ
- 不登校回復6段階モデルで「今どの段階にいるか」を確認する方法
- 夏休み明けでも転入できる通信制高校という選択肢
不登校で通信制高校を選ぶ注意点
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夏休み明けに「学校行きたくない」と感じているあなたへ
今日お子さんを休ませることは、正しい選択です。 その理由は、これから順を追って説明します。
夏休みが終わるのが怖くて、9月の前夜に眠れなかった。その気持ちは甘えではありません。毎年9月、全国で何万人もの子どもが同じ状況に直面しています。
夏休み明けに学校に行きたくないと感じるのは、あなただけではありません。2024年度(令和6年度)の文部科学省調査では、小・中学校の不登校の子どもの数が約35.4万人と過去最多を更新しました(出典:文部科学省「令和6年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果について」)。突然・初めて「行きたくない」と言い出したお子さんを前に途方に暮れている保護者の方も多いはずです。この記事では、夏休み明けに不登校・行き渋りが起きる原因と、今日から親御さんができる対応を具体的に解説します。
その気持ち、甘えではありません
みんな行けているのに自分だけ行けない——その辛さは、本人が誰よりわかっています。だからこそ、責める必要はありません。
「みんなはちゃんと行っているのに、自分だけなぜ?」と思っているかもしれません。でも、それは甘えではありません。
「行けない」という状態は、心と体が「もう限界だ」とブレーキをかけているサインです。無理に動かそうとすれば、ブレーキはより強くかかります。まず「甘えじゃない」と知ることが、回復の第一歩になります。
学校に行けない状態になるのは、意志の問題ではありません。脳が「危険だ」と判断して体を守ろうとしている、生理的な反応です。責める必要はまったくありません。
毎年9月、何万人もの子が同じ気持ちを抱えている
夏休みが明ける9月は、1年で最も不登校が増える時期です。夏休み明けは、新規の不登校相談が通信制高校カフェにも年間で最も多く寄せられる時期です。
お子さんが「行きたくない」と言ったとき、「うちだけが特別なのでは」と感じる親御さんは少なくありません。でも実際には、毎年9月の始業式前後に、同じ状況が全国で一斉に起きています。
「突然のことで何がサインかわからなかった」という保護者の声がよく聞かれます。でも不登校は突然ではありません。通信制高校カフェに寄せられる相談を整理すると、不登校に至る前の2〜4週間前から、身体症状や言動の変化として小さなSOSが現れているケースが多くあります。
「9月1日問題」が示す、夏休み明けの危機
「9月1日問題」とは、夏休み明けの9月1日前後に子どもの自殺者数が急増するという社会問題のことです。内閣府『平成27年版自殺対策白書』では、過去約40年間の人口動態調査を分析した結果、9月1日が18歳以下の自殺者数で最も多い日だったと報告されています(出典:内閣府「平成27年版自殺対策白書」)。
この数字が示しているのは、「学校に戻ること」が子どもにとってどれだけ大きなプレッシャーになっているかということです。「少し嫌なだけ」「気持ちの問題」で片づけてよい話ではありません。
夏休み明けの「行きたくない」は、今すぐ真剣に向き合うべきサインです。夏休み明けに学校を休ませることは、お子さんを守る正当な選択です。
関連記事:GW明けの不登校・学校行きたくない対処法も、長期休暇明けの行き渋りに共通するパターンを解説しています。あわせてご覧ください。
夏休み明けに不登校・行き渋りが起きる6つの原因
夏休み明けに学校に行けなくなる原因は、気持ちの弱さではありません。脳と体に実際に何が起きているのかを解説します。
夏休み明けの不登校は、以下3要因が複合して発生します:
- ① 自己肯定感の低下(子どもの心)— 1学期の疲労・「もう頑張れない」という感覚
- ② 学校でのストレス(外部環境)— 授業・人間関係・部活の消耗
- ③ 家庭環境の変化 — 夫婦の緊張・経済不安・引越しなど
不登校を生む「3要因モデル」——6つの原因を理解する前に
6つの原因を理解する前に、通信制高校カフェが5,000件超の相談を通じて整理してきた「不登校の3要因」のフレームを共有します。
不登校は単一の出来事ではなく、①自己肯定感の低下(子どもの心)②学校でのストレス(外部環境)③家庭環境の変化、の3つが複合的に絡み合って発生します。夏休み明けの行き渋りは、この3要因が長期休暇という「区切り」によって一気に表面化したものです。これから紹介する6つの原因は、すべてこの3要因のいずれか(または複数)から派生しています。
①自己肯定感の低下(子どもの心)
1学期を「なんとか乗り切った」という積み重ねが、夏休みの間に「もう頑張れない」という感覚に変わります。「自分はダメだ」という感覚が積み重なると、登校に必要な心の体力が著しく低下します。
②学校でのストレス(外部環境)
授業・人間関係・行事・部活など、学校という場そのものが子どものエネルギーを消耗させ続けます。夏休み中に解消されるわけではなく、むしろ「2学期が始まる」という意識の中で、ストレスへの抵抗力が低下していきます。
③家庭環境の変化
夫婦間の緊張・経済的な不安・引越し・きょうだい関係の変化など、家庭内のストレスが子どもの安全基地を揺るがします。家が「安心できる場所」でなくなると、学校へ行く心の体力が失われます。
6つの原因はすべて、この3要因のいずれか(または複数)から派生しています。
心身のエネルギーが枯渇している(息切れ型)
→ 3要因モデルの①自己肯定感の低下・②学校でのストレス由来
1学期を「なんとか乗り切った」という子どもは少なくありません。毎日登校すること自体に相当なエネルギーを使っていたのです。
夏休みに入っても疲労は残っていて、2学期の始業式を前にすると、「また同じことを繰り返すのか」という思いが、体の重さや起き上がれなさとして現れます。無気力、起き上がれない、何をする気にもなれないといった状態は、この「息切れ」のサインです。
意欲がないから怠けているのではなく、心の体力が底をついている状態です。充電なしに走り続けられる電池がないように、子どもの心にも休息と補充が必要です。
生活リズムが崩れて朝が怖い(リズム崩壊型)
→ 3要因モデルの②学校でのストレス・③家庭環境由来
夏休み中に夜更かし・朝寝坊が定着すると、体内時計がずれます。睡眠リズムが乱れた状態で「明日から朝7時に起きなければ」と考えるだけで、体が拒絶反応を起こします。
これは「だらけた結果」ではなく、生物学的な現象です。人間の体内時計(サーカディアンリズム)の周期は約24時間より少し長く、生活リズムが大きく崩れると元に戻すのに時間がかかるとされています(参考:厚生労働省 e-ヘルスネット「体内時計」)。
始業式の前夜に「明日、絶対起きなきゃ」と思えば思うほど緊張が高まり、眠れなくなる。そして朝が来ると体が動かない。この悪循環が、行き渋りの直接的な引き金になります。
文部科学省の『令和2年度 不登校児童生徒の実態把握に関する調査報告書』では、不登校の約3割が「朝起きられない」ことをきっかけのひとつとして挙げています。なかには起立性調節障害(OD)という自律神経のバランスの乱れに起因する病気が背景にあるケースもあり、医療機関での相談が必要な場合もあります。怠けでも気合いの問題でもないことを、まず親子双方で共有してください。
宿題・課題が終わっていない(宿題プレッシャー型)
→ 3要因モデルの①自己肯定感の低下・②学校でのストレス由来
「宿題が終わっていないから学校に行けない」という訴えは、夏休み明けの行き渋りで最も多いパターンの一つです。
宿題の未完了は、子どもにとって「先生に怒られる」「クラスで恥をかく」という具体的な恐怖と直結しています。大人から見れば「行って謝ればいい」で済む話でも、子どもの脳にとっては本物の脅威として処理されます。
「終わっていないから行けない」は言い訳ではありません。その恐怖は本物です。「宿題より先にお子さんの気持ちを受け止める」という順番を守ってください。
人間関係の不安が蓄積されていた(対人不安型)
→ 3要因モデルの②学校でのストレス由来
1学期に感じていた「あのグループとどう関わればいいか」「あの子との間がぎこちない」という不安は、夏休み中に消えません。
40日間、その人に会わずに過ごした後、「2学期になったらどう接すればいいか」という想像が頭の中で繰り返されます。久しぶりに顔を合わせる場面を想像するだけで、体が緊張します。
人間関係の不安は「慣れれば大丈夫」で乗り越えられるものではありません。無理に送り出せば、かえって不安が強固になり、長期化するリスクがあります。
2学期からの学校生活が憂鬱(将来不安型)
→ 3要因モデルの①自己肯定感の低下・②学校でのストレス由来
「2学期は体育祭・文化祭・進路相談が控えている」「受験の年だ」という意識が、夏休み明けの憂鬱を深めることがあります。
イベントが多い学期は、人間関係のプレッシャーも高まります。「班分けはどうなるか」「受験で友達と引き離されるのでは」という不安が、先を見越して膨らみます。
将来への不安は「考えすぎ」ではありません。今の状況をリアルに想像できる力があるからこそ、不安が生まれます。その想像力を否定せず、「一緒に考えよう」という姿勢が親御さんには求められます。
小学生・中学生・高校生で異なる「引き金」
同じ「夏休み明けの行き渋り」でも、学年によって主な引き金が異なります。
小学生に多い引き金
低〜中学年は「特定の先生への恐怖」や「友達関係のトラブル」が直接的な引き金になりやすい傾向があります。高学年になると「授業についていけない」「クラスで孤立している」という悩みが加わります。
中学生に多い引き金
部活・学力格差・思春期の人間関係が複合します。「1学期に感じた居心地の悪さ」が夏休みで可視化され、「もう行きたくない」という結論に至るケースが増えます。文科省の調査では、中学校の不登校率(在籍者比)は約6.79%(約15人に1人)で、小学校の約2.30%と比較すると約3倍にのぼります(令和6年度・文部科学省「令和6年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果」)。
高校生に多い引き金
進路プレッシャーと学力不安が重なりやすい時期です。「このまま今の学校にいていいのか」という根本的な問いが浮かびやすく、転学・転入への関心が高まるのもこの層です。
不登校の前兆・サインを見逃さないために
不登校は突然ではありません。通信制高校カフェへの相談を整理すると、夏休み明けの不登校には2〜4週間前からSOSのサインが出ています。気づいたときに対応できるよう、具体的なサインを紹介します。
身体症状として現れるSOSのサイン
子どもが「お腹が痛い」「頭が痛い」「熱っぽい」と訴えるとき、それが身体的な病気ではなく、心理的なストレスが体に現れている場合があります。これを「心身症」と呼びます。
よく見られる身体症状は以下のとおりです。
- 朝になると腹痛・頭痛・吐き気が出る(学校のない休日は症状が出ない)
- 夜になると体調が戻り、翌朝また同じ症状が出る
- 微熱が続く(検査しても原因が見つからない)
- 極端な食欲の低下・過食
- 夜眠れない、朝起きられない
「仮病では?」と疑いたくなる気持ちはわかります。でも、体の症状は本物です。心が出している本物のSOSを、身体が代わりに表現しています。
行動・言動の変化で気づくサイン
身体症状より先に、行動や言動の変化として現れることもあります。お子さんの「いつもと違う」に気づいてください。
言動のサイン
- 「学校どうだった?」という問いかけに答えなくなった
- 「明日、行きたくない」「なんか嫌だ」という発言が増えた
- 学校の話題を意図的に避けるようになった
- 「どうせ行っても意味ない」「消えたい」という言葉が出た
行動のサイン
- 帰宅後すぐ自室に閉じこもるようになった
- スマホ・ゲームの使用時間が急に増えた
- 友達と遊ばなくなった
- 制服を着るのを嫌がる、登校準備を始めない
特に「消えたい」「いなくなりたい」という言葉は、たとえ冗談めかして発せられたとしても深刻なSOSです。問い詰めるのではなく「そういう気持ちが出てくるくらいしんどいんだね」と受け止め、必要があれば早めに次の章で紹介する相談先(この記事の4章)に連絡してください。
行動変化が出たときの親の関わり方(アドラー心理学・4段階)
アドラー心理学では、子どもの問題行動には「注目」「主導権争い」「復讐」「無能の誇示(無気力)」の4段階があるとされ、不登校・引きこもりはこのうち最も勇気をくじかれた最終段階の行動と捉えられています。夏休み明けの「行動の変化」は、まだ初期段階のSOSであることが多く、ここで「批判・説得」ではなく「勇気づけ(存在の承認)」で応じることが、より深刻な段階への進行を防ぎます。「学校に行かないこと」より先に「あなたが今ここにいることがうれしい」という姿勢を見せてください。
「行き渋り」は不登校の手前のシグナル
「毎朝しぶしぶ登校している」「玄関で泣きながら出かける」という状態を、「行けているから大丈夫」と判断するのは危険です。
行き渋りは、不登校の一歩手前にあるシグナルです。無理に登校させ続けた結果、完全に動けなくなるケースは少なくありません。
「泣いてでも行かせれば慣れる」は、1学期まで通じていたとしても、夏休み明けには通じないことがあります。夏休みという区切りを経て、子どもの心の限界がリセットされているからです。
行き渋りを「甘え」と判断する前に、「なぜ行き渋っているのか」の原因を先ほど紹介した6つの原因と照らし合わせて確認してください。
夏休み後半〜始業式当日に出る季節特有のサイン
夏休み中にも、「2学期が近い」ことへの反応が少しずつ現れます。特にお盆(8月中旬)以降からサインを意識して観察してください。
8月中旬〜下旬に出るサイン
- 宿題の話題を出すと不機嫌になる、または話を変える
- 「あと何日で夏休みが終わる」という発言が繰り返される
- 眠れないと訴える頻度が増える
- スマホを夜遅くまで見ている(不安から抜け出せない状態)
始業式前日〜当日に出るサイン
- 前日の夜から腹痛・頭痛が始まる
- 当日の朝、布団から出てこない
- 「行かなきゃいけないのはわかってる」という発言(行けない自分を責めているサイン)
- 発熱のように体が熱いが、体温計では微妙な数字(緊張による体温上昇)
「9月1日だけ特別に頑張らせる」という対応は、これらのサインが出ているお子さんには逆効果です。「今日だけは休んでいい」と伝えることが、長期的な不登校を防ぐ一手になることを覚えておいてください。
親がすべき対応・今日からできること
子どもの「行きたくない」を聞いたとき、親として何をすべきか。最初の24時間の対応が、その後の回復の速さを大きく左右します。今日からできることをロードマップ形式で整理しました。
まず親が知っておくべき「夏休み明けは休ませても大丈夫」という大原則
夏休み明けに子どもを休ませることは、正しい選択です。 「今日休ませたら、このままずっと行けなくなるのでは」という不安を抱えている親御さんへ、最初にはっきり伝えます。
文部科学省は「不登校児童生徒への支援の在り方について」(通知・令和元年10月25日)の中で、次の方針を示しています。
>「学校に登校するという結果のみを目標にするのではなく、児童生徒が自らの進路を主体的に捉えて、社会的に自立することを目指す」
つまり、国の公式スタンスは「無理に登校させること」より「子どもの状態に合わせた支援」を優先しています。
無理に登校させると何が起きるか。 心身の準備ができていない状態での強制登校は、「学校=苦しい場所」という記憶を脳に刻み込みます。一時的に行けたとしても、その後に長期不登校へ移行するリスクが高まります。通信制高校カフェの相談対応において、最初に十分な休養を取った子どもほど、エネルギー回復が早まるケースが多くあるということです。
育て方が悪かったわけではありません。夏休み明けの不登校は、特定の親の育て方や家庭環境が原因ではなく、心の体力が枯渇したときに誰にでも起きうる状態です。今日休ませることを、自分を責める材料にしないでください。
✍️ 通信制高校カフェ運営者より 私自身も不登校から通信制高校に転入した経験者です。当時の親が「休んでいい」と言ってくれたことが、回復への第一歩になりました。
夏休み明け・今日の関わり方チェックポイント
- 「今日は休んでいい」と伝えた(または伝えられる状態にある)
- 登校の話・理由の追及をしていない
- 食事・水分・睡眠のリズムだけは最低限確認した
- 「甘え」「みんなは行ってる」という言葉を使っていない
- 子どもの存在そのものを否定していない
絶対にやってはいけないNG言動5つ(ルドゥー博士の防御システム理論を根拠に)
このリストは、親を責めるために作ったのではありません。今すぐやめることで、子どもの回復が早まる言動を伝えるために書きました。
ジョセフ・ルドゥー博士(ニューヨーク大学)が示したように、脅威を感知すると脳は「学習」より「逃避・防衛」を優先します。登校できない状態の子どもに叱責・プレッシャーをかけると、脳は「危険から逃げる」モードに入り、回復に必要な安心の回路が閉じてしまいます。(参考:Joseph LeDoux, NYU Center for Neural Science; 村中直人「〈叱る依存〉がとまらない」)
NG言動5つ:
1. 「みんなは行ってるんだから」
比較は子どもの自己否定を強化します。「自分だけできない」という感覚をさらに深め、防御システムを強く刺激します。
2. 「あなたのためを思って言ってるの」
親の善意が伝わっていても、子どもには「正論で押しつけられている」と感じます。善意は伝えたい気持ちもわかりますが、このタイミングでは不要です。
3. 「甘えてるだけでしょ」
「甘え」と言われることで、子どもは「親にもわかってもらえない」という孤立感を強めます。この言葉が最も傷つくと感じる子どもが多いです。
4. 「昨日は元気だったじゃない」
不登校の子どもの体調は波があります。「昨日元気だったなら今日も行けるはず」は論理的に見えますが、心理的な体調と身体の状態は別物です。この言葉で「自分の状態を信じてもらえない」と感じます。
5. 「このままじゃ将来どうするの」
将来への不安は子ども自身が最も感じています。それを親から突きつけられると、今感じている苦しさに未来の恐怖まで重なり、精神的に追い詰められます。
「今朝・今夜」の声かけテンプレ(時間帯別)
朝の声かけと夜の声かけで、内容を変えます。朝は「今日の決定」への対応、夜は「明日への不安」を和らげる関わりです。
朝:布団から出てこないとき
- OK:「起きてるなら返事だけしてね。急かすつもりはないよ」(確認だけで十分)
- OK:「今日はゆっくりしてていいよ。お腹が空いたら呼んで」(食事の話題が安心につながる)
- NG:「もう8時だよ、早く起きなさい」(時刻の指摘はプレッシャーになる)
朝:「行けない」「行きたくない」と言ったとき
- OK:「そっか、今日は休もうか。体の調子はどう?」(まず受け止める)
- OK:「わかった。今日は家にいよう。あとでお茶でも飲もう」(次の行動を一緒に考える)
- NG:「なんで?理由は?」(理由を求めると子どもが追い詰められる)
夜:寝る前の声かけ
- OK:「今日はゆっくりできた?無理しなくていいからね」(今日を肯定する)
- OK:「何か食べたいものがあったら言って。明日の朝に作るから」(明日の安心感を作る)
- NG:「明日は行けそう?」(明日への期待を植えつけると夜眠れなくなる)
夜:明日の不安を打ち明けてきたとき
- OK:「うん、そうか。今は話したくなければ話さなくていいよ。ここにいるから」(存在を示す)
- OK:「学校のことは一緒に考えようね。今夜は休んで」(今夜は問題解決しないと伝える)
- NG:「大丈夫、行けばなんとかなるから」(根拠のない励ましは「わかってもらえない」という気持ちにつながります)
共通のポイントは「今日だけを扱う」こと。「明日」「来週」「将来」の話は今夜しないことが大切です。



「甘えてるだけ」という言葉は、子どもが一番傷つく言葉です。まず「そっか、休もうか」の一言から始めてみてください。
「ありがとう」を使った勇気づけの一言
アドラー心理学の「勇気づけ」は、褒めることとは異なります。「すごいね」ではなく「ありがとう」が鍵です。「今日、ごはんを食べてくれてありがとう」「話しかけてくれてありがとう」——存在そのものへの感謝を言葉にすることで、子どもは「自分はここにいていい」という感覚を取り戻します。回復期に親が意識的に使うと、子どもの表情が和らぐことが多くあります。
不登校初期の関わり方ロードマップ
- 今日〜3日目:無条件に休ませる。登校・理由の話をしない
- 4〜7日目:朝10時起床だけを目標に。1日1回外の空気を
- 2週目〜1か月:スクールカウンセラーに親だけで相談。選択肢の情報収集を開始
- 1か月後:不登校回復6段階モデルで今どの段階かを確認
今週・来月の関わり方ロードマップ
回復は段階的に進みます。最初の数日は「何もしない」が正しい選択です。通信制高校カフェ運営者・小谷が5,000件超の相談を通じて見えてきたのは、保護者が段階ごとに関わり方を変えることで、子どものエネルギー回復が早まるという事実です。
今日〜3日目:無条件に休ませる
- 登校の話をしない。理由を聞かない
- 食事・睡眠・水分のリズムだけ最低限維持する
- 「休んでいていい」という雰囲気を家全体で作る
- スマホを取り上げたりゲームを制限したりしない(今は安心感を優先)
ゲームやスマホを「悪者」にしないことが大切です。お子さんはゲームがしたいから不登校になっているわけではありません。ゲームや動画は、今の段階では心の体力を回復させる手段の一つです。安心できる場所で好きなことをする時間が、次のステップへのエネルギーを蓄えます。
通信制高校カフェの相談の中には、不登校期間にマインクラフトに没頭していたお子さんが、論理的思考力や調査スキルを自然に身につけていたケースもあります。ゲームは「逃避」ではなく、心の体力を回復させ、興味の芽を育てる時間として機能することがあります。
4日目〜7日目:生活リズムを最低限整える
- 朝10時までに起きることだけを目標にする(学校の時間には戻さなくていい)
- 1日1回、外の空気を吸う機会を作る(コンビニに一緒に行くだけでもいい)
- 「今日どうだった?」などの軽い会話を再開してみる
- 学校の連絡は親が対応する。子どもに任せない
2週目〜1か月:選択肢を整理し始める
- 学校のスクールカウンセラーや教育支援センターに親だけで相談してみる
- 「今の学校以外の選択肢」(通信制高校・フリースクール・教育支援センター等)について情報収集を始める。文部科学省の「誰一人取り残されない学びの保障に向けた不登校対策(COCOLOプラン)」(2023年3月)では通信制高校を含む多様な学習環境の整備が明示されており、学校復帰だけが選択肢ではなくなっています
- 子どもが関心を示したことには積極的に応じる(ゲーム・絵・料理でもいい)
- 「学校に戻る」以外の選択肢を親自身が持っておく
1か月後:回復の段階を確認する。H2-6で紹介する「不登校回復6段階モデル」を参照し、「今子どもはどの段階にいるか」を確認します。段階が変わらなくても、焦らないことだけを徹底してください。
学校・支援機関への相談タイミング
「誰かに相談したい」と思ったとき、どこに連絡すればいいか。状況別に整理します。
今すぐ連絡できる:スクールカウンセラー
学校に在籍するスクールカウンセラーは、子どもが不登校の状態でも保護者だけで相談できます。まず「子どもの状態をどう見ているか聞きたい」という形で連絡するのが自然です。学校の担任より話しやすい場合が多いです。
1週間以上経過したら:教育支援センター(適応指導教室)
各市区町村に設置されている教育支援センターは、学校とは別の「居場所」を提供します。不登校の子どもが通えるスペースで、スタッフも不登校対応の経験が豊富です。「学校に戻るための施設」というより、「今の状態のまま来ていい場所」です。
以下のサインが見られたら:医療機関
- 身体症状(頭痛・腹痛・吐き気)が毎日続く
- 2週間以上まったく外出できない
- 自傷行為や「消えてしまいたい」という言葉が出る
- 極端な食欲不振や過眠が続く
これらのサインがある場合は、かかりつけの内科か小児科に相談した上で、必要に応じて児童精神科・思春期外来への紹介を依頼します。
24時間相談できる:よりそいホットライン
電話:0120-279-338(24時間・無料)
運営:一般社団法人社会的包摂サポートセンター
公式サイト:https://www.yorisoi-hotline.jp/
子どもの状態に不安を感じたとき、夜中でも話を聞いてくれます。最新の対応時間・受付状況は公式サイトでご確認ください。
夫婦で対応方針が割れたときの整理法
「休ませたい母親」と「行かせたい父親」の対立は、夏休み明け不登校の家庭でよく起きます。この状況が長引くと、子どもにとって最も有害な環境になります。
子どもの目の前で両親が対立することは、子どもに「自分のせいで家がおかしくなっている」という罪悪感を植えつけます。不登校の回復に最も必要な「安心できる家庭環境」が崩れます。
まず夫婦2人で共通認識を作る3ステップ
1. 子どもの耳に届かない場所で話す。リビングではなく、子どもが寝てからか、別の部屋で。「休ませる」「行かせる」の結論ではなく、「今子どもはどんな状態か」の事実確認から始める。
2. お互いの「心配している内容」を整理する。父親が「行かせたい」理由は「将来が心配」か「甘えがくせになるのが心配」か。母親が「休ませたい」理由は「今の状態への心配」か。心配の内容を言語化すると、方向性は意外と近いことが多いです。
3. 一時的な合意だけ作る。「今週は休ませて、来週の月曜日にもう一度話し合う」という期限付きの合意で十分です。「永遠に休ませる」か「絶対に行かせる」かの二択で判断する必要はありません。
どうしても合意できないときは専門家に入ってもらう
スクールカウンセラーは保護者の夫婦面談にも対応しています。「夫婦で意見が割れています」と伝えて、2人で一緒に相談に行く選択肢があります。第三者の専門家に現状を聞くだけで、対立が落ち着くことがあります。
不登校の対処法を正しく知りたい保護者の方へ
通信制高校カフェ運営者・小谷が5,000件超の相談をもとにまとめた不登校対処法を、LINEで受け取れる無料講座があります。5日間の動画形式で、「正しい声かけ」「学校への相談方法」「通信制高校という選択肢」まで網羅しています。登録は1分で完了します。
お子さんが自分でスマホを見ているようであれば、このまま次のセクションをお子さんに渡してください。
子ども本人へ——今すぐ読んでほしいこと
保護者の方へ:このセクションは子ども本人に向けて書いています。お子さんに直接読ませてあげてください。
ここからはあなたに向けて書きます。夏休み明けに学校に行けなくなったか、あるいは「行きたくない」という気持ちが抜けないあなたへ。
「行けない自分」を責めなくていい理由
あなたは今、自分を責めているかもしれません。「なんで自分だけ」「甘えてるだけなんじゃないか」という気持ち、あるでしょうか。
はっきり言います。あなたが弱いわけではありません。
夏休み明けに学校に行けなくなる子どもは、毎年数万人います。文部科学省の令和6年度調査によると、不登校の小中学生は約35.4万人と過去最多を更新し続けています。高校生を含めると、さらに多くの子どもが同じ状況を経験しています。
学校に行けない状態は、心と体が「もう限界です」とサインを出している状態です。サインを無視して無理に動こうとすると、エンジンが壊れるのと同じように、回復に時間がかかります。
今この瞬間、日本中で「夏休み明けが怖い」「学校に行きたくない」と感じている同年代の子は、あなたが想像するよりずっと多いです。全国の中学生のおよそ15人に1人が不登校状態にあります。あなたは決して特別ではありませんし、一人じゃありません。
今、休んでいることは正しい選択です。
宿題が終わっていなくても、今日だけは休んでいい
「宿題が全部終わってないから行けない」という気持ち、すごくよくわかります。夏休みの最後に宿題が山積みになっていて、それがずっと頭の中に引っかかっていたんじゃないでしょうか。
正直に言います。宿題が終わっていなくても、学校に行くことはできます。
担任の先生に「宿題が終わっていない」と言えば、ほとんどの場合、期限を延ばしてもらえます。宿題未提出で退学になることはありません。宿題が原因で進級できないケースも、ほとんどありません。
宿題は後でなんとでもなります。でも今あなたの体と心が必要としているのは、休むことです。
「宿題を終わらせてから行こう」と思っているなら、今日だけはその計画を棚に置いてください。宿題のことは明日考えましょう。今日のあなたには、ゆっくり休む権利があります。
学校を休むと進路はどうなるのか、正直に答えます
「このまま休み続けたら、進路はどうなるの?」という不安、当然だと思います。正直に答えます。欠席日数と進級・進路への影響について解説します。
多くの高校では、欠席日数が授業日数の一定割合を超えると進級できないという内規を設けています。ただし規定は学校ごとに異なるため、必ず在籍校の生徒手帳または担任に確認してください。夏休み明けから始業した場合、2学期に集中して欠席が続いても、1学期に普通に出席していたなら、今の時点では即座に留年になるわけではありません。
ただし、長期化すると出席日数が不足する可能性は出てきます。その場合の選択肢は3つあります。
1. 今の学校で出席扱い制度を使う。フリースクールや自宅学習を「出席」として認める学校が増えています。担任やスクールカウンセラーに相談してみてください。
2. 通信制高校に転入する。通信制高校は欠席日数に関係なく転入できます。高校卒業資格も取れます。夏休み明けでも転入できる学校がほとんどです。
3. 高卒認定試験を受ける。学校に通わなくても、試験に合格すれば大学・専門学校の受験資格が得られます。
大学進学はできるのか?通信制高校から大学に進学する人は毎年たくさんいます。不登校を経験したことが「大学に行けない理由」には直接なりません。
今の状況は、あなたの人生を終わらせません。選択肢はあります。
今日、親にどう話せばいいか(伝え方テンプレ)
「親に言いたいけど、うまく説明できない」という気持ちもあると思います。完璧に説明しなくて大丈夫です。以下の言葉をそのまま使ってください。
身体症状があるとき(本当に具合が悪いとき):「お母さん(お父さん)、今日は頭が痛くて、体も動かない。休みたい」
理由がうまく説明できないとき:「うまく説明できないんだけど、今日だけ休みたい」「学校のことがうまく話せないんだけど、今日は行けない」
前から不安が続いていたとき:「夏休みの終わりごろから、学校のことが頭から離れなくて、ずっとしんどかった。正直に言うと、今も行けそうにない」
もう少し詳しく話せそうなとき:「友達関係とか、授業とか、何か一つが嫌なわけじゃないんだけど、学校全体がしんどくて。今日だけじゃなくて、しばらく休ませてほしい」
伝えるのが怖くても、短い言葉でいいです。親は、あなたが思っているより怒らないことが多いです。もし最初は驚いた反応をしたとしても、最終的にはあなたのことを心配しています。
今日だけでいい。「休みたい」の一言だけ伝えてみてください。
不登校回復の見通し——6段階モデルで今どこにいるか確認しよう
「いつ戻れますか?」という問いには、一概に答えられません。ただ、不登校の回復には段階があります。今どこにいるかを知ることで、焦らず次の一歩を踏み出せるようになります。


回復6段階モデルとは(前兆期〜始動期)
不登校の回復は、突然「元通り」になるのではありません。通信制高校カフェが提唱する「回復6段階モデル」では、以下の段階を経て回復していきます。
前兆期:学校への不安や身体症状が出始める段階です。「行きたいけど体が動かない」という状態が続きます。
葛藤期:休むことへの罪悪感と、行けない辛さの間で揺れる段階です。自分を責める気持ちが強くなります。
開始期:休息を取り入れ始め、少しずつエネルギーが戻ってくる段階です。家の中で動けるようになり、好きなことに集中できる時間が増えます。
定着期:回復の実感が出てきます。外出できる日が増え、学習への意欲が戻り始めます。
安定期:自分のペースで生活を送れるようになります。将来への具体的なイメージが持てるようになる段階です。
始動期:新しい環境や活動に踏み出す段階です。転入・進学・就職など、次のステップを実際に動き始めます。
この6段階は一直線ではありません。行ったり来たりすることも多く、それは回復の失敗ではありません。
夏休み明けに多い「開始期」のリアルな状態
夏休みという長期休暇は、開始期に入るケースが多い時期です。5,000件超の相談対応実績から見ると、2学期が始まるまでの間に「強制的な休む時間」が与えられることで、開始期〜定着期のプロセスが動き始めるケースが目立ちます。
開始期の子どもは、外から見ると「元気そう」に映ります。ゲームをしている、YouTubeを見ている、友達とLINEしている——そういう姿を見た親が「なぜ学校に行けないんだ」と思うのは自然なことです。でも、これは回復のサインです。
開始期に多いリアルな状態はこうです。
- 昼過ぎまで寝ている
- 食欲が戻ってきた
- 笑える場面が増えた
- ゲームや動画に集中できる
- 「学校のことは考えたくない」という言葉が出る
- 夜になると翌日のことが不安になる
「お子さんが暇だと言い出したら、エネルギーが溜まってきた証拠です。」これは回復が次の段階に進んでいるサインです(通信制高校カフェ・小谷による5,000件超の相談対応実績より)。昼まで寝ていること、遊んでいることは、開始期の正常な回復プロセスです。回復を急がせず、この段階を十分に過ごすことが次のステップにつながります。



「昼まで寝てる」「ゲームばかり」は、回復のサインです。焦って起こしたり制限したりすると、エネルギーが逃げていきます。
定着期・安定期へ進むために焦らない理由
開始期から定着期に移行するタイミングは、子どもによって異なります。1か月の子もいれば、半年かかる子もいます。この違いは、意志の強さでも育て方でもありません。
回復を急かすと、子どもは「自分はまだ回復できていない」という失敗感を抱えます。その失敗感が、次のステップへの足を重くします。
H3-4-2で挙げたNG言動と同じく、「まだ行けないの?」も回復を妨げる言葉です。回復を急かすことで定着期への移行がかえって遅くなることは、通信制高校カフェへの5,000件超の相談で繰り返し確認されています。
焦らないことが、結果として最短ルートになります。
「いつ戻れるか」より「今のエネルギーを守る」ことが先決
「いつ学校に戻れますか?」という問いに、答えはありません。正確には、「戻れる時期は、今どれだけエネルギーを守れるかによって変わる」のです。
エネルギーを守るために、今できることは3つあります。
1. 睡眠と食事のリズムを最低限保つ。完璧にしなくていいので、夜12時までに就寝・1日3食の目安だけ守ります。
2. 責めない・急かさない時間を意識的に作る。「今日の調子はどう?」という一言だけで十分です。「いつ行くの?」は今週は封印します。
3. 子どもが決める体験を小さく積む。「今日の昼ごはん、何食べたい?」という小さな選択から、自己決定の感覚を取り戻させます。


通信制高校という選択肢——「学校を変える」ことを考えてみませんか
今の学校に戻ることだけが、ゴールではありません。通信制高校という選択肢を、一度真剣に考えてみてください。
夏休み明けでも転入できる通信制高校がある
通信制高校への転入は、4月入学だけではありません。多くの学校が、9月・10月にも転入生を受け付けています。ただし転入時期は学校・年度により異なるため、必ず各校の公式サイトまたは資料請求で最新情報を確認してください。
夏休み明けに「もう今の学校には戻れない」と感じているなら、今すぐ情報収集を始めることができます。
転入の流れはおおむね以下の通りです。
1. 資料請求・学校説明会への参加(1〜2か月前から)
2. 転入申請書類の準備(在籍校の「在学証明書」「成績証明書」「単位修得証明書」など)
3. 転入試験または作文・面接 4. 転入手続き完了・授業開始
不登校で出席日数が少なくても、通信制高校カフェが把握する範囲では転入受け入れ実績のある学校が多数あります。選考方法は学科試験よりも面接・作文中心の学校が大半です。
詳しい学校選びの基準については、不登校から通信制高校を選ぶ際のポイントをまとめた記事もご覧ください。
関連記事:不登校の子が通える通信制高校の選び方|選定基準と注意点
不登校から通信制高校に転入して変わった先輩の声【口コミ3件】
通信制高校に入学した生徒のうち、約6割が不登校経験者です。そして入学後、約7割が「学校生活が楽しい」と感じているという調査データもあります(文部科学省『高等学校通信教育の現状について(令和3年度)』)。
通信制高校カフェには、不登校を経て転入した先輩たちの声が集まっています。
📢 当サイトに投稿された口コミ(2年生9月転入・なたなたさん)
「2年生の9月から転入しました。週1回のスクーリングなので通いやすかったです。授業も教科ごとに教え方がたくさんありましたがどれも分かりやすく、分からないことを授業後に聞きに行っても優しく教えてくれてテスト前は本当に助かりました。どの先生もフレンドリーでとても話しやすく、進路の相談にも乗ってくれてとても心強かったです。」
— なたなた(生徒本人・青森山田高等学校 広域通信制課程)
📢 当サイトに投稿された口コミ(2年生夏転入・まちゃさん)
「2年生の夏に全日制高校から転入し、週1回登校するコースを選びました。登校回数が比較的多いため、友達がたくさんでき、先生方とも打ち解け、楽しい高校生活を送ることができました。登校しない日は自宅でレポートを書いて提出し、あまった時間はバイトをしたり出かけたりと自由に使うことができた点が良かったです。」
— まちゃ(生徒本人・飛鳥未来きずな高等学校・沖縄キャンパス)
📢 当サイトに投稿された口コミ(保護者・にんにんさん)
「息子が高校2年のときに全日制から転入しました。最初は通信制ということでちゃんと卒業できるのか不安もありましたが、学校は本人のペースに合わせてくれたのがありがたかったです。スクーリングも楽しく、何より自信を取り戻してくれたことが親としては何より嬉しかったです。卒業後は専門学校に進学しましたが、その道も先生が一緒に考えてくれました。」
— にんにん(生徒の保護者・クラーク記念国際高等学校・横浜キャンパス)
口コミの傾向として、転入後に多く聞かれる変化は以下のようなものがあります(※当サイトに寄せられた口コミ全体の傾向をまとめたものです)。
- 自分のペースで勉強できる安心感が生まれた
- 登校プレッシャーがなくなり、体調が安定した
- 全日制では関われなかったタイプの友人ができた
- 卒業資格への不安が解消され、進路を前向きに考えられるようになった
通信制高校には不登校を経験した生徒が多く在籍しています。転入したことで初めて「自分と同じ経験をしている仲間がいる」と感じた、という声は相談の中でも繰り返し聞かれます。
通信制高校 vs 今の学校——比較チェックリスト
「通信制高校と今の学校、何が違うのか」を具体的に比較します。
| 比較項目 | 全日制高校(今の学校) | 通信制高校 |
|---|---|---|
| 週の通学日数 | 週5日(毎日) | 週1〜5日(学校・コースによって異なる) |
| 留年リスク | あり(出席日数・単位が条件) | 原則なし(単位制のため自分のペースで取得) |
| 卒業後の進路 | 大学進学・就職ともに対応 | 大学進学・就職ともに対応(進学率は学校による) |
| 年間学費の目安 | 公立:約11.88万円(就学支援金の支給上限額)/私立:約40〜60万円前後 | 公立:年間学費総額の目安が数万円〜10万円台(履修単位・地域により大きく異なる)/私立:平均約42万円〜(通信制高校カフェ独自調査・サポート校除く/就学支援金で授業料が実質無償になるケースあり) |
| 不登校歴がある場合の受け入れ | 学校による(出席条件あり) | 多くの学校で受け入れ実績あり |
| 卒業資格 | 高校卒業資格 | 高校卒業資格(全日制と同等) |
通信制高校の学費は、公立か私立か、また私立の中でもコース・履修単位数・サポート校併用の有無で大きく変動します。私立でも就学支援金(年収目安590万円未満世帯で年間最大29万7千円)が受けられる場合、授業料が実質無償になるケースも多くあります。



不登校の経験者が多い通信制高校だからこそ、「自分だけじゃない」という安心感がある。転入後に顔が明るくなった、という声が一番多いです。
※学費は年度・学校により変動します。必ず資料請求で最新情報を確認してください。
全国の通信制高校を都道府県別に探す場合は、以下のページが参考になります。
関連記事:全国の通信制高校一覧・都道府県別に探す
転入を子ども本人と決めるための3ステップ
「通信制高校に行かせたい」と保護者が先走ると、子どもに「また親に決められた」という感覚が残ります。転入を「自分で決めた」という体験にするために、次の3ステップを踏んでください。
先走って失敗したケース(相談実例より)
通信制高校カフェへの相談に、こんなケースがありました。ある保護者は、夏休み明けに子どもが休み始めた直後にすぐ通信制高校の資料を集めて子どもに見せたところ、子どもは怒り出して「もう学校の話はしたくない」と部屋に引きこもってしまった、と語っています。休み始めてまだ1週間も経っていない段階で「次の学校」の話を持ち出したことが、子どもには「親は私が今の学校に戻れないと思っている」というメッセージとして伝わったのです。通信制高校の情報収集は保護者だけで先に進めておき、子どもが「学校のこと、少し考えてみてもいいかな」と言い出したタイミングで初めて提案してください。
ステップ1:まず保護者だけで情報収集する
子どもにプレッシャーをかけないよう、保護者が先に資料を集めます。「どんな学校があるか」「費用はどのくらいか」「転入のタイミングはいつか」を把握した上で、子どもに話しかけます。
ステップ2:「決めなくていい」という前置きで提案する
「転入しなさい」ではなく、「こういう学校があるんだけど、一緒に見てみない?」という提案にします。決断を求めない問いかけが、子どもの心の壁を下げます。
ステップ3:子ども自身が動く体験を作る
資料請求・学校説明会の予約・体験入学の申し込みなど、小さな行動を子ども自身にしてもらいます。「自分で動いた」という感覚が、転入への主体性につながります。
まず一緒に診断してみるのもよい入口になります。
運営者コラム:高校を中退した私が伝えたいこと(小谷)
✍️ 通信制高校カフェ運営者より 私はスポーツ推薦で全日制工業高校に入学しましたが、複合的なストレスで登校できなくなり中退しました。その後、公立通信制高校に再入学し、4年かけて卒業。在学中は生徒会長を務め、元不登校・元引きこもりの仲間と一緒に学校生活を送りました。卒業後は二十代後半まで様々な仕事を経験しました。その後、宅地建物取引士などの資格を取得し、WEBクリエイターとして正社員のキャリアを始めました。当時は「通信制に行ったら人生終わり」と本気で思っていましたが、ちなみに当時の通信制高校の同級生たちは、今、税理士、IT企業社員、美容師、テレビプロデューサーなど、それぞれの道で活躍しています。「通信制に行ったら人生終わり」は、私が当時感じていただけの幻想でした。今では年間50万人が訪れる通信制高校情報サイトを運営しています。夏休み明けに「もう行けない」と感じているなら、その感覚は本物です。学校を変えるという選択肢を、逃げ道ではなく出口として考えてみてください。
よくある質問(FAQ)
夏休み明けの不登校について、よく寄せられる質問をまとめました。
- 夏休み明けの不登校は改善できますか?
-
改善できます。夏休み明けの不登校は、心身のエネルギーが一時的に底をついた状態です。適切な休養と、焦らせない環境が整えば、多くのケースで回復に向かいます。ただし「元の学校に戻る」だけが回復ではありません。通信制高校への転入など、別の形で前に進む選択肢もあります。
- 親がやってはいけないNG言動は何ですか?
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特に避けてほしい言動は5つあります。「みんな行ってるんだから」「甘えてるだけでしょ」「昨日は元気だったのに」「このままじゃ将来どうなるの」「あなたのためを思って」という言葉です。これらは子どもの脳の防御システムを刺激し、登校への恐怖を強化してしまいます。今週だけでも、これらの言葉を封印することから始めてください。
- 9月1日問題とはどういう意味ですか?
-
9月1日前後に子どもの自殺件数が増加するという、日本特有の社会問題です。内閣府「平成27年版自殺対策白書」の分析によれば、過去約40年間のデータで9月1日が18歳以下の自殺者数の突出した多さを示す日となっています。「夏休みが終わる恐怖」が最も深刻な形で現れるのがこの時期です。夏休み明けに子どもが「学校に行きたくない」と言ったとき、それは命に関わるほどの苦しさである場合があります。軽視しないことが大切です。
- 通信制高校への転入は夏休み明けでもできますか?
-
できます。多くの通信制高校が9月・10月の転入を受け付けています(転入可能な時期は学校・年度によって異なります。必ず各校に直接確認してください)。不登校で出席日数が少ない場合でも受け入れている学校は多く、選考は面接・作文中心の学校が大半です。夏休み明けから情報収集を始めれば、秋の転入に間に合うケースがあります。
- 不登校の子どもに学校以外の居場所を作るにはどうすればいいですか?
-
段階を焦らないことが前提です。まず「家が安心できる場所」になっていることを確認してください。その上で、フリースクール・オルタナティブスクール・教育支援センター(適応指導教室)・オンラインコミュニティなどが選択肢になります。大切なのは「学校の代わりに行かせる場所」ではなく、「子どもが自分の意志で関わりたいと思える場所」を見つけることです。親が先走ると子どもが拒否します。子どものペースに合わせて、情報だけ先に集めておくのが現実的なやり方です。
- 夏休み明けに休ませるとそのまま不登校になりませんか?
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「1日休んだら行けなくなる」という不安は根拠がありません。むしろ、無理に登校させることで状態が悪化し、長期不登校になるリスクの方が高いです。無理な登校は、学校という場への恐怖記憶を上書きしてしまいます。1〜3日の休養を経て、子どものエネルギーが回復してから「今日どうする?」と聞くアプローチの方が、結果として登校再開につながることが多いです。
- 始業式だけは行かせるべきですか?
-
始業式を特別視する根拠はありません。「始業式だけは行きなさい」という親の言葉が、子どもに「行けなかった」という失敗体験を与えるケースは珍しくありません。始業式を無理に乗り越えさせても、2学期の登校継続には直結しません。子どもの状態を最優先に判断してください。始業式を休んでも、担任への連絡と今後の対応相談をするだけで十分です。
- 親に「明日は行けそう?」と聞かれて困っています。どう答えればいいですか?
-
「わからない」「まだ決めてない」で十分です。答えられないこと自体は、何も悪いことではありません。もし親に伝えるのが難しければ、「明日のことは明日考えたい。今はそれだけ答えてもいい?」と一言だけ言ってみてください。親は「行けそうか確認したい」という不安から聞いていることがほとんどです。あなたに「行く」と言わせたいわけではなく、今のあなたの状態を知りたいのです。「わからない」はきちんとした答えです。
まとめ
夏休み明けの不登校・学校行きたくないという気持ちは、原因と対処法を知れば変えられます。
「甘え」でも「怠け」でもなく、心身がSOSを出しているサインです。不登校の回復には段階があり、今どこにいるかを知ることで、焦らず対応できます。
次のアクションとして、まず3つを試してください。
- 今週は「いつ行くの?」ではなく「今日の調子はどう?」に置き換えて、子どものエネルギー回復を最優先にする(再登校を急かさないことが、結果として回復を早めます)
- 不登校回復6段階モデルを参考に、今お子さんがどの段階にいるかを確認する
- 通信制高校という選択肢に興味があれば、まず資料請求または診断から始める
夏休み明けに「もう無理かもしれない」と感じていても、状況は変わります。「学校を変える」という選択肢も含めて、一緒に考えていきましょう。
学校を変えるという選択肢を、逃げ道ではなく出口として考えてみてください。
不登校で通信制高校を選ぶ注意点
不登校生徒数は毎年過去最高を更新し、その不登校の子どもの受け皿になっている通信制高校。自由度が高いからこそ合った学校も見つけやすく、通信制高校に入ることは、再登校のきっかけにもなりやすいです。
ただし注意して欲しいことがあります。それが
「心のエネルギーが少ない状態のときに学校見学に行くと、最初に行った高校に決めてしまいがち」ということ。
これだと、複数校から検討できていないので、「入学したけど、やっぱり合わなかった…」というケースが少なくないのが現状です。
この失敗を避けるには、不登校の子どもを支える親が、先に複数の選択肢を持っておくことが重要。
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各校の特徴や違いを把握しやすくなり、子どもに合った学校を見つけやすくなります。パンフレットがあることで、視覚的にも検討しやすく「この学校は違うな」見極めがしやすくなります。
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