高卒認定があれば、「高卒以上」を条件とする求人に応募できます。文部科学省の令和5年度調査では、企業の約78%が「高卒認定合格者と高校卒業者の間に応募資格で差をつけるべきではない」と回答しており、高卒認定が就活の入口で広く認められている実態が示されています。
「自分は中卒扱いになって就職できないんじゃないか」——そう不安に思っている方も多いはずです。高卒認定を取ったのに、履歴書にどう書けばいいかわからない。面接で高校を出ていないことを聞かれたら、どう答えればいいか迷う。そんな不安が積み重なって、就活の第一歩が踏み出せない。そんな状況かもしれません。
通信制高校カフェは、通信制高校の情報を発信してきた中で、高卒認定から就職を目指す方の声を多く聞いてきました。企業が高卒認定をどう評価しているか、履歴書にどう書けばいいか、面接での答え方まで、実務で使える情報を解説します。この記事を読み終わる頃には、履歴書の書き方(2ケース別の記載例付き)、面接の回答例(台本形式)、そして自分の状況に合った求人の探し方が、わかります。

この記事でわかること
- 高卒認定があれば「高卒以上」の求人に応募できるか(企業の実態データ付き)
- 履歴書への正しい書き方(学歴欄・資格欄の2パターン記載例)
- 面接で必ず聞かれる質問の回答例(台本形式)
- 高卒認定OKの求人の探し方と活用できる就職支援サービス
- 高卒認定と通信制高校、就職でどちらが有利かの比較
5つの質問で「今すぐ就活ルート」か「学歴強化ルート」かを診断します
不登校で通信制高校を選ぶ注意点
不登校生徒数は毎年過去最高を更新し、その不登校の子どもの受け皿になっている通信制高校。自由度が高いからこそ合った学校も見つけやすく、通信制高校に入ることは、再登校のきっかけにもなりやすいです。
ただし注意して欲しいことがあります。それが
「心のエネルギーが少ない状態のときに学校見学に行くと、最初に行った高校に決めてしまいがち」ということ。
これだと、複数校から検討できていないので、「入学したけど、やっぱり合わなかった…」というケースが少なくないのが現状です。
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高卒認定があれば就職できる【結論と3つのポイント】
高卒認定があれば、就職できます。「どんな求人に応募できるか」「企業は高卒認定をどう評価しているか」「高卒認定では通用しないケースはあるか」——この3点を押さえれば、就職活動を前に進められます。
「高卒以上」の求人に応募できるケース
高卒認定を持っていると、「高卒以上」を条件とする求人に応募できる場合があります。ただし、全ての「高卒以上」求人に自動的に応募できるわけではありません。
応募できるかどうかを判断する3つのポイントがあります。①求人票に「高卒認定合格者含む」と明記されているケースは確実に応募できます。②「学歴不問」の求人は高卒認定の有無にかかわらず応募できます。③求人票に「高卒以上」とだけ書かれているケースは企業によって扱いが異なるため、応募前に採用担当者に直接確認するのが確実です。
「高卒以上のみ」と書かれた求人でも、問い合わせることで応募を受け付けてもらえるケースがあります。まず確認してみる姿勢が大切です。
多くの企業が高卒認定を正当に評価している
文部科学省「高等学校卒業程度認定試験の合格者の企業等における扱いに関する調査」(令和5年度)によると、採用試験で高卒認定合格者を「高卒と同等」と扱う企業は32.8%、「学歴で差をつけない」が6.7%で、両者を合わせると約4割が高卒認定を高卒と同水準に評価しています。1さらに「応募段階で高卒と差をつけるべきではない」という意見には、企業の約78%が同意しており、就活の入口では高卒認定が広く認められている実態が示されています。
一方、「中卒扱いにする」と回答した企業はごくわずかです。ほとんどの企業が高卒認定を正当に評価していることが、この調査から読み取れます。
高卒認定だけでは不十分なケース
高卒認定があっても、特定の職種や試験では通用しないケースがあります。正直に伝えておきます。
一部の公務員試験では、採用区分で「高校卒業者」に限定している試験があります。看護師などの医療系国家資格の受験資格も、試験の種類によっては高卒資格が必要になることがあります。
「そういった職種を目指したい」という場合は、通信制高校で高卒資格を取る道も選択肢として検討してみてください。後述の「高卒認定と通信制高校、就職でどちらが有利か」でくわしく比較しています。
最終学歴は「中卒」のまま変わらない
高卒認定を取得しても、最終学歴は中卒のまま変わりません。これは多くの方が誤解しているポイントです。ただし、だからといって就職が大きく不利になるわけではありません。その理由を整理します。
高卒認定と高卒資格は何が違うのか
「高卒認定」と「高卒資格」は、似ているようで別物です。下の表で主な違いを整理しておきましょう。
| 項目 | 高卒認定(高認) | 高卒資格 |
|---|---|---|
| 正式表記 | 高等学校卒業程度認定試験 合格 | 高等学校 卒業 |
| 取得方法 | 国家試験に合格する | 高校の全課程を修了する |
| 最終学歴 | 中卒のまま変わらない | 高卒になる |
| 就職への影響 | 多くの企業が高卒と同等以上に扱う | 「高卒以上」の全求人に応募できる |
| 取得期間の目安 | 最短6ヶ月〜1年 | 最短3年(通信制高校の場合) |
高卒認定は「大学や専門学校を受験できる資格」です。試験に合格すれば受験資格が得られますが、それだけでは最終学歴は変わりません。
学歴が変わらないと就職にどう影響するか
最終学歴が中卒のまま変わらないことは、就職に影響します。厚生労働省の調査によると、高卒向けのハローワーク求人数は約48万2千人あるのに対し、中卒向けは約700人(令和6年9月末時点)にとどまります。2 就職内定率でも高卒が99%台を維持しているのに対し、中卒はそれを大きく下回ります。この数字は、高卒認定を持って「高卒以上」の求人に応募できる状態と、中卒のまま就活する状態の差を示しています。
実態としては、文部科学省の調査でも多くの企業が高卒認定合格者を高卒と同等以上に評価しています。中小企業やサービス業、製造業などでは実力・適性を重視するケースが多く、学歴そのものよりも「どんな人か」を見ている採用担当者も多くいます。
大手企業や一部の職種では学歴フィルターが厳しい場合があり、最終学歴が中卒では書類選考のハードルが高くなるケースもあります。目指す仕事や企業の特性によって、高卒認定で十分かどうかが変わってきます。
最終学歴を「高卒」にしたい場合の選択肢
最終学歴を「高卒」にしたい場合は、高校を卒業する必要があります。20歳を超えていても入学できる通信制高校があります。在学中にアルバイトや就活を並行しながら卒業を目指すことも可能です。
自分に合う通信制高校を探している方は、通信制高校診断で学校の方向性を確認してみてください。都道府県別の通信制高校一覧から地域で探すこともできます。
採用担当者は高卒認定をどう見ているか
「企業は高卒認定をどう見ているのか?」——就職活動を前にして、多くの方が感じる不安です。感情論ではなくデータで整理します。
文部科学省データで見る企業の実態
文部科学省が実施した「高等学校卒業程度認定試験の合格者の企業等における扱いに関する調査」は、企業の採用担当者に対して高卒認定をどう扱うかを調査したものです。1
調査結果では、採用試験において高卒認定合格者を「高卒と同等に扱う」と回答した企業が32.8%、「学歴で差をつけない」が6.7%、合わせて約4割が高卒と同水準に評価しています。一方で最多回答は「高卒認定試験の合格者が受けに来たことがなく、扱いを決めていない」(53.0%)で、これは応募者側からアプローチする余地が大きいことを意味します。明確に「高卒として認めていない」と回答した企業はわずか0.6%にとどまります。
中卒扱いにする企業はごくわずか
「中卒扱いにされるのでは」という不安を持つ方が多いです。しかし令和5年度調査では、給与体系で高卒認定合格者を「中卒者に位置づける」と回答した企業はわずか0.4%、採用試験で「高卒として認めていない」企業も0.6%にとどまります。逆に給与体系で「高卒者に位置づけ」と回答した企業は47.6%と過去最高で、企業全体として高卒認定の地位が向上していることが示されています。
もちろん、一部の企業では高卒認定が通用しないこともあります。その点は正直に伝えます。ただ、大多数の企業では高卒認定で就活の扉が開くことは、データが示す通りです。
業界・職種別に見る高卒認定の通用度
高卒認定がどこでも同じように通用するわけではありません。志望する業界によって通用度が異なるため、事前に確認しておくことが大切です。
| 業界・職種 | 高卒認定の通用度 |
|---|---|
| 中小企業全般・サービス業・製造業 | ◎ 実力・意欲を重視するケースが多い |
| IT・Web業界 | ◎ スキル評価が中心で学歴フィルターが薄い |
| 大企業の総合職 | △ 学歴フィルターがある場合がある |
| 金融機関(一部の総合職) | △ 厳しいケースが多い |
| 公務員(高卒程度試験) | ○ 受験できる区分が多い |
| 公務員(一部の上級職・特定区分) | △ 「高校卒業者」限定の場合がある |
| 看護師・医療系国家資格 | △ 資格ごとに受験資格が異なる |
業界によって扱いが大きく異なるため、志望業界のリサーチが大切です。特に公務員試験や医療系国家資格の受験資格は、各機関への事前確認が必要です。
採用で問われるのは学歴より「空白期間の使い方」
採用担当者が実際に注目するのは「なぜ高校を卒業していないのか」ではなく、「その後どう行動したか」です。高校を中退または未進学だったとしても、その後に高卒認定を取得したという事実は「自分で動いた」という証明になります。勉強して試験に合格したこと自体が、採用担当者には努力と自律の証明として映ります。
過去を変えることはできません。でも、今から何ができるかを考えて動き続けることは誰にでもできます。高卒認定を取得して就活に向かっているあなたは、すでにその一歩を踏み出しています。面接でこの点を前向きに伝えられるかどうかが、採用の鍵になります。具体的な答え方は後述の「高卒認定の履歴書への書き方」でくわしく解説します。
✍️ 通信制高校カフェ運営者より 「空白期間」という言葉が就活の不安を大きくすることがあります。管理人の小谷自身、高校を中退して数学の試験で4点という経験をしました。それでも20歳で高校を卒業し、その後は宅地建物取引士とWEBクリエイター能力認定試験(上級)を取得。二十代後半まで正社員経験がない時期が続きましたが、志望した会社からはすべて内定をいただきました。採用担当者が見ているのは、過去の経歴ではなく「これから、どう動こうとしているか」です。高卒認定を取得して就活に向かっているあなたは、すでに「動き始めた」という事実を持っています。その行動を、面接で正直に語ってください。
高卒認定の履歴書への書き方【記載例付き】
履歴書では正式名称「高等学校卒業程度認定試験」を使用します(略称の「高認」「高卒認定」は不可)。以下、学歴欄・資格欄それぞれの書き方、空白期間の扱い、面接での答え方を整理します。



履歴書の書き方で悩む方はとても多いです。ポイントは「正式名称を使う」こと。略称は避けてください。
学歴欄に書く場合の正しい手順
学歴欄への記載手順は3つのポイントで整理できます。
ポイント1:正式名称を省略しない(「高等学校卒業程度認定試験 合格」と書く)
ポイント2:合格した年月を正確に書く(合格証書に記載の年月を使う)
ポイント3:高校中退した場合は中退の記載も必ず行う(記載しないと経歴詐称に該当)
ケース1:高校中退後に高卒認定を取得した場合
```
学歴
20XX年3月 ○○高等学校 入学
20XX年7月 ○○高等学校 中途退学
20XX年11月 高等学校卒業程度認定試験 合格
```
中退理由は学歴欄には書きません。面接で聞かれた際に答えます。
ケース2:高校に未進学で高卒認定を取得した場合
```
学歴
20XX年3月 ○○中学校 卒業
20XX年8月 高等学校卒業程度認定試験 合格
```
中学卒業から高卒認定取得までの間に空白期間があることは、後述の「空白期間の書き方」で補足します。
資格欄に書く場合の正しい手順
学歴欄のスペースが少ない場合や、アルバイト用の簡易履歴書を使う場合は、資格欄に記載する方法もあります。
```
資格・免許
20XX年11月 高等学校卒業程度認定試験 合格
```
資格欄に書く場合の注意点があります。学歴欄には「高等学校卒業」の記載がないはずなので、学歴欄を確認してから資格欄に書いてください。高卒認定を資格欄に書いた場合、学歴欄には中学卒業(または高校中退)までの記録を正確に書きます。
学歴欄・資格欄の記載ポイント
- 正式名称「高等学校卒業程度認定試験 合格」を使う
- 合格した年月を正確に記載(合格証書の日付)
- 高校中退の記録も必ず入れる(記載漏れは経歴詐称)
- 資格欄にも記載する場合は「令和○年○月 高等学校卒業程度認定試験 合格」
空白期間(アルバイト期間)の書き方
高校中退から高卒認定取得まで、あるいは高卒認定取得後から就活を始めるまでの期間——この「空白期間」の扱いについて、正直に答えます。
アルバイトをしていた期間は、職歴欄に記載してください。
```
職歴
20XX年8月 ○○(業種)アルバイトとして勤務
20XX年3月 一身上の都合により退職
```
「アルバイトは職歴に書かなくていいのでは?」と思う方もいます。法的な義務はありませんが、採用担当者の視点から言うと、空白期間が長いと「何をしていたのか」という疑問が生まれます。アルバイトでも記載することで、誠実さと行動力のアピールにつながります。
短期(数週間程度)のアルバイトや職歴として書きにくい場合は、面接で説明する準備をしておきましょう。「履歴書に書かなかった理由」を聞かれたとき、前向きに答えられれば問題ありません。
面接で必ず聞かれる3つの質問と回答例
高卒認定取得者が就活で必ずといってよいほど聞かれる3つの質問と、回答例を台本形式で紹介します。これは参考例です。自分の言葉でアレンジして使ってください。
質問1「なぜ高校を卒業しなかったのですか?」
```
面接官: なぜ高校を卒業しなかったのですか?
回答例(不登校・体調が理由の場合):
「高校在学中に体調を崩してしまい、通学が難しい状況が続きました。
退学という判断は辛かったですが、体調を整えながら高卒認定の勉強を続け、
合格することができました。今は問題なく働ける状態です。」
回答例(家庭の事情が理由の場合):
「家庭の事情で在学が難しくなり、高校を中退しました。
その後、就職に向けて高卒認定を取得し、働く準備を整えてきました。」
```
質問2「高校中退後から今まで何をしていましたか?」
```
面接官: 高校を辞めてから今まで、どのように過ごしていましたか?
回答例:
「高卒認定試験に向けて独学で勉強しながら、アルバイトをしていました。
アルバイトでは接客を担当し、責任を持って仕事を続けることができました。
高卒認定に合格できたことで、正社員として腰を据えて働きたいという気持ちが
強くなり、今回応募しました。」
```
質問3「高卒認定を取得した理由を教えてください」
```
面接官: 高卒認定を取得した理由は何ですか?
回答例:
「就職の選択肢を広げるために取得しました。
高校を中退してからも、将来について諦めたくないという気持ちがずっとありました。
自分で勉強して試験に合格できたことが自信になりました。
この経験を活かして、御社でも目標に向かって努力していきます。」
```
3問に共通するのは「正直に・前向きに・具体的に」という原則です。過去の事実から逃げずに話し、そこからどう動いたかを詳しく伝えることが採用担当者の信頼につながります。
できないことを悔やむより、今からできることを積み上げてきた人が就活では強くなれます。高卒認定を取得して就活に臨んでいること自体が、その積み上げの証明です。
高卒認定OKの求人の探し方
「どこで求人を探せばいい?」という疑問に、具体的な機関・サービス・方法を紹介します。「就職サポートを活用しましょう」という抽象的なアドバイスで終わらず、明日から動ける情報を整理します。
ハローワーク若者サポートステーションを使う
最初に相談すべきは、ハローワークです。特に「わかものハローワーク」や「ヤングハローワーク」など、若者専門の窓口を持つハローワークでは、学歴・年齢に関わらず無料で職業相談を受けられます。



ハローワークは無料で使えて、学歴不問の求人も多い。若者専門窓口に行くと、履歴書添削も面接練習もサポートしてもらえますよ。
具体的に受けられるサポートは以下の通りです。
- 職業相談(自分に合った仕事を一緒に考えてくれる)
- 履歴書・職務経歴書の添削
- 面接練習(本番を想定した練習ができる)
- 求人の紹介(ハローワーク専用求人を含む)
また、「若者サポートステーション(サポステ)」は、働くことに不安を感じる若者向けのより手厚い支援機関です。就活の悩みを相談するところから始められるため、「まず誰かに話を聞いてほしい」という段階でも利用できます。
関連:就職サービスを選ぶ際は「高卒認定合格者の就活支援に慣れているか」を確認するのが最初のポイントです。応募前の問い合わせも積極的に活用しましょう。
高卒認定対応の転職・就職サービスを使う
ハローワーク以外にも、「高卒・中卒OK」「未経験歓迎」を掲げる就職サービスがあります。主に2種類あります。
1. 就職エージェント——担当のキャリアアドバイザーが個別に求人を紹介してくれるサービスです。高卒認定取得者の就活に慣れているアドバイザーに当たれば、心強い味方になります。
2. 求人サイトで自分で探す方法——「学歴不問」「高卒以上(高認含む)」のキーワードで絞り込みます。
ただし、注意点があります。就職サービスを使うことで求人にアクセスしやすくなりますが、最終的に採用を決めるのは面接での印象です。サービスを使いながら、並行して面接練習も進めてください。
求人票で「高卒認定可」を見分けるポイント
求人票の「応募条件」欄の確認方法を整理します。
| 求人票の表記 | 応募可否 |
|---|---|
| 高校卒業以上(高認合格者含む) | 確実に応募できる |
| 学歴不問 | 応募できる |
| 高卒以上 | 企業に直接確認するのが確実 |
| 大卒以上 | 基本的に応募できない |
「高卒以上」とだけ書かれている求人では、電話やメールで「高卒認定合格者ですが応募できますか?」と確認することをお勧めします。問い合わせ自体が採用に不利に働くことはありません。むしろ入社後のミスマッチを防ぐ意味で、確認は重要です。
✍️ 通信制高校カフェ運営者より 就職活動で大切なのは、完璧な条件の求人を待つことより、動きながら自分に合う仕事を見つけていくことだと思っています。管理人の小谷自身も、高校中退→就職という道を歩んできました。「まず1社、問い合わせてみる」という一歩が、就活の流れを変えるきっかけになります。学歴の壁に見えていたものが、実際は乗り越えられる障害だった、というケースは少なくありません。
高卒認定と通信制高校、就職でどちらが有利か
「今から通信制高校に行った方がいいのか、高卒認定だけで進むべきか」——この記事を読んでいるあなたが抱えている疑問かもしれません。通信制高校の情報を発信している通信制高校カフェが、中立的な視点で整理します。
高卒認定のみを選ぶ場合のメリット・デメリット
高卒認定を持っていて、そのまま就活を進める場合のメリット・デメリットをまとめます。高卒認定のみのルートは「今すぐ就職したい」「学費を使いたくない」「学校より仕事に集中したい」方に向いています。
- すでに資格があるため、今すぐ就職活動を始められる
- 学費がかからない
- 働きながら試験勉強をする必要がない
デメリット
- 最終学歴は中卒のまま変わらない
- 「高卒以上」求人の中には、企業によって応募できないものがある
- 一部の職種(公務員試験の一部・医療系資格)で制約が生じる場合がある
通信制高校で高卒資格を取る場合のメリット・デメリット
今から通信制高校に入学して卒業資格を目指す場合のメリット・デメリットをまとめます。通信制高校を選ぶのは「学歴を高卒にしたい」「大学進学も視野に入れたい」「時間の余裕がある(またはつくれる)」方に向いています。
- 最終学歴が「高卒」になる
- 「高卒以上」の求人全体に応募しやすくなる
- 大学・専門学校進学の選択肢が広がる
通信制高校からの大学進学者数は18,454人、専門学校進学者数は17,430人と、いずれも過去最高水準です(2022年度学校基本調査)。進学を経由した就職も現実的な選択肢になります。
デメリット
- 卒業まで最低3年かかる(その分就職が後ろにずれる)
- 学費が発生する
- 働きながら卒業を目指す場合は時間の管理が必要
学費の目安は、公立は年間数万円、私立は平均約42万円程度です。就学支援金制度を活用すれば年間11〜29万円程度が補助されるため、実費負担はさらに軽減されます。
高卒認定 vs 通信制高校:比較まとめ
- 今すぐ就職したい → 高卒認定ルート(応募できる求人が多い)
- 最終学歴を高卒にしたい → 通信制高校で高卒資格取得
- 大学・専門学校も視野にある → 通信制高校 or 高卒認定どちらでも受験可
- 公務員・医療系を目指す → 通信制高校の高卒資格が必要なケースあり
今の状況別おすすめの選択肢
| 状況 | おすすめ |
|---|---|
| とにかく早く就職したい | 高卒認定で就活開始 |
| 学歴を「高卒」にしたい | 通信制高校に入学 |
| 大学・専門学校への進学も考えている | 通信制高校 または 高卒認定後に受験 |
| 20歳以下で時間的な余裕がある | 通信制高校も検討の価値あり |
| 公務員や医療系資格を目指したい | 通信制高校で高卒資格を取る |
どちらが正解かは、あなたの状況と目標によります。「学歴よりも早く社会に出たい」なら高卒認定で動けばいいです。「将来の選択肢を広げたい」なら通信制高校という道もあります。どちらも正当な選択です。通信制高校に興味がある方は、以下のリンクから情報を確認してみてください。
よくある質問(FAQ)
Q: 高卒認定を取得した場合、アルバイトの履歴書にはどう書けばいいですか?
高卒認定と就職・履歴書に関してよく寄せられる質問に答えます。アルバイト用の履歴書でも、書き方の基本は正社員用と同じです。学歴欄に「高等学校卒業程度認定試験 合格」と年月を記載します。アルバイト先によっては、資格欄に書く形式の方がシンプルにまとまります。簡易版の履歴書では資格欄に「20XX年XX月 高等学校卒業程度認定試験 合格」と一行書けば十分です。
Q: 高校中退を履歴書に書かなくてもいいですか?
書かないといけません。高校中退の事実を記載しないと、経歴詐称になります。「中途退学」という表記で正直に書いてください。退学の理由を学歴欄に書く必要はありませんが、面接で聞かれたときに答えられる準備はしておきましょう。
Q: 高卒認定の合格証明書はどうやって取得しますか?
文部科学省に申請すると取得できます。「合格証明書(英文含む)」は文部科学省のウェブサイトから申請書を入手して、郵送で申請します。発行手数料は1通250円(収入印紙)です。就職活動で提出を求められた場合に備えて、数枚取得しておくと安心です。
Q: 「高卒認定(高認)」と「大検(大学入学資格検定)」は同じですか?
実質的に同じ試験です。「大検」は2005年以前の名称で、2005年から現在の「高卒認定試験(高認)」に改称されました。大検合格者は高認合格者と同様に扱われます。履歴書には取得した当時の名称(大検または高認)をそのまま書いて問題ありません。
Q: 高卒認定で公務員になれますか?
公務員試験の種類によります。「国家公務員採用試験(高卒者試験)」では、高卒認定合格者が受験できます。地方公務員についても多くの自治体が高卒認定合格者を認めています。ただし、採用区分によっては「高校卒業者」に限定しているものもあるため、志望する試験の受験資格を実施機関に直接確認することをお勧めします。
Q: 高卒認定を持っていると、高卒の給与水準で働けますか?
保証されているわけではありません。企業が高卒認定をどう評価するかは企業ごとに異なります。「高卒認定合格者は高卒と同等に扱う」と明示している企業では高卒と同じ給与水準になる場合があります。応募前に就業条件をよく確認してください。
Q: 通信制高校に今から入学するのは遅いですか?
遅くありません。通信制高校は20歳、30歳を超えてから入学している方も多くいます。年齢制限を設けていない学校がほとんどです。「何歳から始めるか」よりも「自分が今どう動くか」の方が大切です。
Q: 履歴書に「高卒認定 合格見込み」と書けますか?
書けます。試験に合格する前で「合格見込み」の状態であれば、「高等学校卒業程度認定試験 合格見込み」と記載することが認められています。ただし、入社時までに合格していることが前提になるため、採用担当者に状況を正直に伝えておくと安心です。合格後は速やかに証明書を提出できるよう準備しておきましょう。
Q: 学歴欄と資格欄の両方に書くべきですか?
どちらか一方に書くのが基本です。学歴欄に書いた場合は資格欄への重複記載は不要で、資格欄に書いた場合は学歴欄に中学卒業(または高校中退)までを記載します。両方に書くと重複になるため避けてください。迷った場合は学歴欄への記載が標準的です。
Q: 高卒認定で受験できる国家資格はありますか?
あります。高卒認定は「高等学校を卒業した者と同等以上の学力がある」と認定されるため、高卒を受験資格とする多くの国家資格に応募できます。看護師・美容師・調理師・社会福祉士の受験資格については、資格ごとに条件が異なるため、受験する資格の主管省庁または試験実施機関に直接確認してください。



最後にまとめます。高卒認定から就職を実現するには、この3つを順番に進めるのが確実です。焦らず一歩ずつ進めてください。
まとめ:高卒認定から就職を実現するための3ステップ
高卒認定から就職を実現するためのステップを整理します。3ステップを順番に進めていけば、就活の道筋が見えてきます。
就職実現3ステップ
- STEP1: 履歴書を完成させる(正式名称・記載例を参考に)
- STEP2: ハローワーク or 就職支援サービスに登録して求人を探す
- STEP3: 面接で「空白期間の行動」を前向きに語る準備をする
STEP 1:履歴書を完成させる。正式名称「高等学校卒業程度認定試験 合格」を学歴欄または資格欄に記載します。高校中退の事実も正直に書きます。2ケース別の記載例(「高卒認定の履歴書への書き方」参照)を参考にしてください。
STEP 2:ハローワークか就職サービスで求人を探す。最初の一歩はハローワークの若者向け窓口への相談です。求人票の確認方法(「高卒認定OKの求人の探し方」参照)を使って「高卒認定可」の求人を見つけます。
STEP 3:面接で「空白期間の使い方」を前向きに伝える。高卒認定を取得したこと自体が、行動の証明です。「なぜ取ったか」「その後どう動いたか」を正直に、前向きに話します。面接の回答例(「高卒認定の履歴書への書き方」参照)を練習に活用してください。
| あなたの状況 | 今すぐすること |
|---|---|
| 今すぐ就職したい | STEP 1から着手。ハローワーク若者窓口を予約する |
| 学歴を高卒にしたい | 通信制高校診断で学校の方向性を確認する |
| 公務員・医療系を目指している | 通信制高校で高卒資格取得を検討、または受験資格を実施機関に確認する |
| まず誰かに相談したい | 若者サポートステーション(サポステ)に問い合わせる |
通信制高校への進学も検討している方は、不登校・中退者向けの無料講座もご活用ください。
✍️ 通信制高校カフェ運営者より 最後に一つ伝えておきたいことがあります。高卒認定を持って就活に挑む方を、採用担当者はどう見るのか。小谷が実際に就活した経験からいうと、「なぜ高校を出ていないのか」よりも「その後どう考えて動いてきたか」を見られていると感じました。完璧な経歴を持っている人だけを採用担当者が求めているわけではありません。「これまでどう動いてきたか」「これからどう動きたいか」を正直に語れる人は、学歴に関係なく評価される現場をたくさん見てきました。まず一歩、動いてみてください。
脚注
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