高卒認定と通信制高校、どちらが合うかは「今のお子さんの状態と、将来の目標」によって変わります。ひとことで言えば、高卒認定は年2回の試験に合格するルート、通信制高校は3年間在籍して卒業資格を取るルートです。
「学校に戻るのはもう限界。でも、この先どうしたらいいのか……」——そう悩む親御さんの声を、通信制高校カフェには毎月たくさんいただいています。気持ちはよくわかります。私自身も高校を中退した後、進路に迷った経験があります。
文部科学省「令和6年度高等学校卒業程度認定試験実施結果」によると、令和6年度第2回試験の合格者のうち約42.7%が高校中退者です。学校を離れた後でも、試験に合格すれば大学や専門学校へ進める道が開きます。当サイトを運営する管理人・小谷自身も高校を中退した後、通信制高校を卒業した経験があります。制度の「外側」ではなく「内側」を知る立場で、率直に情報をまとめました。
この記事では、状況別の比較チェックリストと診断ツールを使って「うちの子にはどちらが合うか」を整理できるようにしています。読み終わる頃には、お子さんに合った選択肢と、次に取るべき一歩が少し見えてくるはずです。

この記事でわかること
- 高卒認定と通信制高校の根本的な違い(試験合格 vs 卒業資格)
- 状況別の比較チェックリスト(高卒認定を選ぶべき人・通信制が向く人)
- 高卒認定取得後の進路パターンと、就職で注意すべき現実
- 費用・期間・登校頻度・学歴の違いを一覧表で比較
- 子どもと話すときのNGな声のかけ方とOKな伝え方
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不登校で通信制高校を選ぶ注意点
不登校生徒数は毎年過去最高を更新し、その不登校の子どもの受け皿になっている通信制高校。自由度が高いからこそ合った学校も見つけやすく、通信制高校に入ることは、再登校のきっかけにもなりやすいです。
ただし注意して欲しいことがあります。それが
「心のエネルギーが少ない状態のときに学校見学に行くと、最初に行った高校に決めてしまいがち」ということ。
これだと、複数校から検討できていないので、「入学したけど、やっぱり合わなかった…」というケースが少なくないのが現状です。
この失敗を避けるには、不登校の子どもを支える親が、先に複数の選択肢を持っておくことが重要。
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各校の特徴や違いを把握しやすくなり、子どもに合った学校を見つけやすくなります。パンフレットがあることで、視覚的にも検討しやすく「この学校は違うな」見極めがしやすくなります。
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高卒認定とは?通信制高校との根本的な違いから理解しよう
高卒認定(正式名称:高等学校卒業程度認定試験)は、文部科学省が年2回実施する国家試験です。合格すると、高校を卒業した人と同等以上の学力があると公的に認定されます。まず「何を証明する制度なのか」を正確に理解することが、選択の第一歩になります。
高卒認定は「高卒資格」ではない
高卒認定の合格は、「高卒と同等の学力がある」という証明です。「高校を卒業した」という学歴にはなりません。この点を混同しやすいので、最初にはっきりお伝えします。
高校を中退した場合、最終学歴は「中学校卒業」のままです。高卒認定に合格しても、履歴書の最終学歴の欄は変わりません。ただし、大学・短大・専門学校への出願資格は得られます。進学先を卒業すれば、最終学歴はその学校の卒業歴になります。
合格に必要な科目と、2026年度から変わる「情報」の追加
高卒認定の合格には、国語・数学・英語・理科・地理歴史・公民など複数の科目に合格する必要があります。文部科学省の発表によると、2026年度(令和8年度)からは「情報」が必修科目として加わり、合格に必要な科目は9〜10科目になりました。
2026年度から「情報」が必修科目に追加されました。
2026年度以降に受験する場合は、従来の科目に加えて情報も合格が必要です。過去に一部科目を合格済みの場合は、自分の合格科目を確認した上で受験計画を立てましょう。
文部科学省の試験日程によると、2026年度の日程は第1回が8月6日・7日、第2回が11月7日・8日です。出願期限は第1回が試験日の約3か月前(5月中旬)、第2回が約2か月前(9月中旬)になるため、文部科学省の公式ページで早めに確認しておきましょう。
合格率は約50%でも「科目合格制」だから実質的なハードルは低い
「合格率約50%」と聞いて難しそうと感じる方もいるかもしれません。ただ、この数字は全科目を一度に合格した人の割合です。文部科学省「令和6年度高等学校卒業程度認定試験実施結果」によると、令和6年度の全体合格率は約49.7%(受験者15,585人に対し合格者7,748人・文部科学省・令和6年度第1回・第2回の合計値)でした。
高卒認定には「科目合格制」があります。一度合格した科目は永久に有効で、次の試験では残りの未合格科目だけを受ければよいのです。年2回の試験を複数回にわたって受験しながら、少しずつ合格科目を積み上げていける設計です。
文部科学省の令和6年度実施結果によると、16〜18歳の受験者が全体の半数以上を占めています。不登校や中退後の10代が多く受験していることがわかります。
通信制高校との一番の違い「卒業資格 vs 試験合格」
通信制高校との最大の違いは「高卒の学歴が得られるかどうか」です。通信制高校を卒業すれば、全日制高校と同じ「高校卒業」の学歴を取得できます。高卒認定は試験合格という形であり、学歴そのものは変わりません。
どちらが「正解」かはなく、お子さんの状況と目標によって選ぶべきものが変わります。次のセクションから、不登校・中退後の子どもがそれぞれをどう使えるか、具体的に見ていきます。
不登校・高校中退の子が高卒認定を選ぶ理由
不登校の期間が長くなると、親御さんも子ども自身も「このまま何もできないのでは」という焦りを感じやすくなります。「高卒認定なら学校に通わなくていい」という情報を目にして、希望を感じる方も少なくないでしょう。ただ、焦って勧める前に知っておきたいことがあります。
高卒認定も通信制高校も、あくまで「手段」です。大切なのは、お子さんが将来、自分の力で生活していける大人に育つこと。「学校に行くこと」が目的ではなく、「社会的に自立すること」がゴールだと捉え直すと、どちらの選択肢が合うかが見えやすくなります。
受験者の4割以上が高校中退者というデータ
冒頭でも触れたとおり、令和6年度第2回試験の合格者のうち約42.7%が高校中退者です。不登校経験がある人も多く含まれていると考えられます。
また、当サイトに寄せられた通信制高校の口コミ約430件を分析すると、入学のきっかけとして「不登校や人間関係のトラブル」を挙げた生徒・保護者が全体の約6割を占めていました。高卒認定・通信制高校どちらを選んでも、「学校を離れた経験を持つ子」が多数を占めているということです。「うちの子だけがこんな状況で」と孤独を感じている親御さんに、ぜひ知っておいてほしいことです。
学校という場所に戻れなくても、試験という形で前に進める道があると知るだけで、子どもの気持ちに余裕が生まれることがあります。
関連記事:不登校の子に高卒認定は必要?
学校に通わなくていい、自分のペースで目指せる
高卒認定の最大のメリットは、登校が一切不要な点です。試験勉強は自宅でも、フリースクールでも、塾でも進められます。体力的・精神的に登校が難しい状態でも、自分のペースで学習と受験の計画を立てられます。
通信制高校も登校頻度が少ない学校が多いですが、レポート提出やスクーリング(対面授業)は一定数あります。学校という場所や他者との関わりが今のお子さんにとって負担になる場合、高卒認定の「完全在宅」のスタイルが合っているかもしれません。
当サイトに寄せられた口コミでも「自分のペースで学べた」という声が多く見られます。
📢 当サイトに投稿された口コミ
「全日制高校を中退後、今後どうしたらいいか悩んでいる時に通信制高校があることを知り入学しました。平日はバイトをしながら自宅で学習し、日月のどちらか都合が良い日に、授業を受けに学校へ行きました。自分のペースで学習できるのが私には合っていて、挫折することなく無事に卒業できました。同期生には様々な年代の人が居て、それぞれ通信制で学ぶ理由は様々でした。いろんな境遇の人と知り合えて、今思うと貴重な人生経験だったなぁと思います。通信制に行って良かったと思っています。」
— すたぶる(生徒本人・長野県松本筑摩高等学校)
中退後に「バイトをしながら自宅で学習」という形で卒業を果たした体験は、高卒認定との違いを考える上でも参考になります。登校頻度や生活スタイルとの相性を見ながら、お子さんに合った選択肢を検討してみてください。
不登校の回復段階別に見る「高卒認定を勧めるタイミング」
不登校からの回復には段階があります。前兆期・葛藤期・開始期・定着期・安定期・始動期という流れを経ることが多く、この段階によって「高卒認定を勧めるべき時期かどうか」が変わります。
葛藤期や開始期は、子どもが「外に出たい気持ちと、怖い気持ち」の間で揺れている時期です。この段階で「高卒認定を取ろう」と急かすと、プレッシャーになって回復が遅れることがあります。気力を取り戻すことを最優先にしましょう。
高卒認定の話を始めるのは、安定期から始動期にかけてがおすすめです。子どもが「何かしたい」「将来のことを考えたい」と言い始めたら、そのタイミングで選択肢として提示してみましょう。
不登校からの回復段階(安定期〜始動期)に入り、「何かしたい」「将来のことを考えたい」と言い始めたころが目安です。葛藤期・開始期に急かすと回復が遅れることがあります。
- 子どもが自分から「試験を受けてみたい」と言ったとき
- 「将来どうしよう」と相談してきたとき
- 生活リズムが安定してきたとき
管理人・小谷も高校を中退した経験があります。当時は「自分には何もできない」という気持ちと「でも前に進みたい」という気持ちが入り混じっていました。そのとき一番助かったのは、選択肢を押しつけられることではなく、「こういう方法もある」と静かに教えてもらえることでした。相談を受けた保護者の方からも、「子どもが回復段階にあるうちは、情報をそっと用意するだけで十分だった」という声を何度もいただいています。お子さんの回復段階を見ながら、タイミングを大切にしてください。
発達障害・体調不良(起立性調節障害等)がある子の場合
起立性調節障害や発達障害がある場合、通信制高校でも週1回のスクーリングが体調的に難しいことがあります。体調の波が激しく、決まった日に外出するだけで消耗してしまうお子さんには、スクーリングなしで進められる高卒認定が現実的な選択肢になります。
ただし、高卒認定は「自分で勉強を管理する力」が求められます。発達障害の特性によっては、計画を立てて継続することが苦手なケースもあります。その場合は、サポート体制が充実した通信制高校の特別支援コースや、個別対応が可能な通信制サポート校も比べてみてください。
高卒認定 vs 通信制高校、状況別に選び方を比較
両方の制度を理解したところで、具体的にどちらが向いているかを比較してみましょう。費用・期間・登校・学歴・取得後の進路の広さという5つの軸で整理します。
費用・期間・登校・学歴・取得後の進路を比較表で整理
| 比較項目 | 高卒認定 | 通信制高校 |
|---|---|---|
| 費用(目安) | 受験料4,500〜8,500円+学習費 | 年間10〜80万円(学校による) |
| 期間 | 最短1回(8〜11月)〜数年 | 原則3年(単位状況で短縮も可) |
| 登校 | 不要(試験会場のみ) | 月数回〜週5まで学校により異なる |
| 最終学歴 | 中卒のまま(進学すれば変わる) | 高校卒業(高卒学歴) |
| 就職での扱い | 最終学歴は中卒のまま(高卒以上の求人は対象外) | 高卒扱い |
| 進学(大学・専門学校) | 出願資格あり(推薦なし) | 出願資格あり(指定校推薦も可) |
| 取得後の柔軟性 | 取得後に通信制高校へ編入も可能 | 卒業後に受験や進学へ進める |
費用だけを見ると高卒認定の方が圧倒的に安いですが、最終的に大学・専門学校に進学するなら学費がかかります。通信制高校は在学中に就職・進学の両方を選べる幅が広い点で、長期的に安定した選択肢といえます。



比較表で見ると分かるように、就職を視野に入れるなら通信制高校の方が動ける範囲が広いです。高卒認定は「大学・専門学校進学が決まっている」場合に特に強みを発揮します。
当サイトが通信制高校の卒業生・在校生から集めた口コミを分析すると、入学して「良かった」と感じている人は約7割にのぼります(通信制高校カフェ調べ・約430件の口コミをもとに集計)。高卒認定に比べると「サポートがある分、挫折しにくい」という傾向が見られます。
通信制高校を選んで「良かった」と感じている生徒の声も参考にしてみてください。(通信制高校カフェ調べ・2026年5月時点・在校生/卒業生/保護者の口コミ約430件のうち総合満足度4以上を集計)
📢 当サイトに投稿された口コミ
「結論から言うと入学して良かったです。中学生時代自分はいじめられていて、お世辞にも賢いとは言えず、なんなら偏差値40あるか怪しいレベルで勉強に対しても苦手意識が強く、N高等学校に入学してからは、自分のペースで学べる環境が整っており、周りの目を気にせず勉強に集中することができました。通信制なのでいじめなどの人間関係のストレスがなくなり、精神的にも安定しました。そのおかげで、学習に対する意欲が自然と湧いてきて、気づけば勉強する習慣が身についていました。(後略)」
— やなびなび(生徒本人・N高等学校)
「精神的に安定した→学習意欲が戻った→選択肢が広がった」という流れは、通信制高校が「環境を変える」手段として機能した好例です。高卒認定でも自己管理ができれば同様の変化は起こりえますが、学校というサポート体制があることで変化がつながりやすかった面もあります。
高卒認定を選ぶべき状況のチェックリスト
以下に複数当てはまる場合、高卒認定が向いている可能性があります。
- すでに高校を中退しており、学校への復帰を考えていない
- 大学・専門学校への進学が明確な目標として決まっている
- 登校や他者との対面接触が今の体調では難しい
- 通信制高校の費用を捻出するのが経済的に難しい
- 18歳を過ぎており、学年や在籍期間の縛りが気になる
- 自己管理が得意で、自分で学習計画を立てて進められる
- 就職よりも進学を優先したい
通信制高校を選ぶべき状況のチェックリスト
以下に複数当てはまる場合、通信制高校が向いている可能性があります。
- 高卒の学歴(卒業資格)をきちんと取得したい
- 就職も進学も、今はまだどちらか決まっていない
- 学習のサポートや先生との関わりがあった方が続けやすい
- 高校在学中であり、転入・編入で単位を引き継ぎたい
- 将来の職業によっては「高卒以上」の応募条件を満たしたい
- 特定の資格取得や専門スキルを高校在学中に身につけたい
- 不登校の状態から回復しつつあり、ゆるやかな学校生活を取り戻したい
判断に迷ったら「通信制高校診断」を活用する
「うちの子はどちらが向いているか」を一人で判断するのは難しいことがあります。通信制高校とその他の選択肢を比較する際には、当サイトの診断を参考にしてみてください。
関連記事:高卒認定vs通信制高校どっちが合う?詳しい比較記事
いくつかの質問に答えるだけで、通信制高校が向いているかどうかの目安がわかります。
関連記事:通信制高校診断(無料)でお子さんに合う選択肢を確認する
「どちらでもいい」という状況なら通信制高校がおすすめです。高卒認定は「試験合格」という明確な目標が必要で、自己管理が求められます。一方、通信制高校は学校のサポートを受けながら卒業資格を取れるため、まだ方向性が定まっていないお子さんに向いています。
高卒認定を取った後、進路はどうなる?(保護者が最も知りたいこと)
高卒認定を取った後の進路について、明るい面だけでなく注意すべき点も含めて正直にお伝えします。
高卒認定取得後の3つの進路パターン(大学進学/専門学校/就職)
高卒認定取得後の進路は大きく3つです。
1. 大学・短大への進学:一般入試やAO入試(総合型選抜)への出願資格が得られます。大学受験において、全日制高校の卒業生と同じ土俵で挑めます。
2. 専門学校への進学:看護・美容・IT・調理など各種の専門学校も、高卒認定合格者を「高卒と同等」として受け入れています。高校在学中に進路を変えた場合も、専門学校進学というルートは残ります。
3. 就職:就職活動では、応募条件が「高卒以上」の企業には応募できません。高卒認定は就職において「高卒扱い」にはならず、最終学歴が中卒のままになります。通信制高校卒業者との大きな違いです。
📢 当サイトに投稿された口コミ
「息子が高校2年のときに全日制から転入しました。最初は通信制ということでちゃんと卒業できるのか不安もありましたが、学校は本人のペースに合わせてくれたのがありがたかったです。スクーリングも楽しく、何より自信を取り戻してくれたことが親としては何より嬉しかったです。卒業後は専門学校に進学しましたが、その道も先生が一緒に考えてくれました。」
— にんにん(生徒の保護者・クラーク記念国際高等学校 横浜キャンパス・2017年度)
📢 当サイトに投稿された口コミ
「N高はネット学習を中心とし、自分のペースで学べる柔軟な環境が特長です。息子も時間を有効活用しながら、志望大学への対策や興味のある分野の学習に集中できました。全日制高校と異なり、登校日数や学習時間に縛られないため、自己管理能力や主体性も身についたと感じています。通信制でも質の高い学びとサポートが受けられるN高での経験は、息子の自信や成長につながりました。(後略)」
— ニッキー(生徒の保護者・N高等学校)
「卒業後は専門学校」「通信制でも質の高い学びとサポートが受けられる」——どちらも通信制高校ルートで実感された声です。高卒認定と通信制高校、進路の選択肢の幅に違いはありますが、どちらのルートでも具体的な目標に向けて進んでいけます。
「最終学歴は中卒のまま」が就職に与える現実的な影響
就職市場において、高卒認定は「高卒扱い」にはなりません。履歴書に書けるのは「高等学校卒業程度認定試験合格」という資格であり、学歴の欄には中学校卒業と記載することになります。
その差は数字に表れています。厚生労働省「令和6年度高校・中学新卒者のハローワーク求人に係る求人・求職状況」によると、高卒を対象とする求人数が約46.5万件に対し、中卒を対象とするものは618件にとどまっています(令和6年度7月末現在)。就職を優先するなら、高卒の学歴があることが大きなアドバンテージになります。
「高卒以上」を応募条件とする企業には応募できないケースがあります。ただし、「学歴不問」や「中卒以上」とする企業も存在します。大学・専門学校に進学して卒業すれば、最終学歴はその学校の卒業になるため、就職の幅も広がります。
「だから高卒認定を選ぶべきではない」という話ではありません。大学・専門学校進学が目標であれば、高卒認定はそこへの橋渡しになります。お子さんが将来どういう方向で歩むかをイメージしながら考えてみてください。
関連記事:高卒認定 就職・履歴書への影響と書き方
大学・専門学校への進学を目指す場合の注意点(指定校推薦・出願手続き)
大学進学を目指す場合、一点注意があります。高卒認定合格者は、指定校推薦を利用できません。大学入学の方法は、一般入試(共通テスト利用を含む)かAO入試(総合型選抜)に限られます。
特定の大学・学部を目指している場合は、募集要項で「高等学校卒業程度認定試験合格者」が出願可能かどうかを事前に確認してください。ほとんどの国公立・私立大学は対応していますが、一部に条件がある場合もあります。
高卒認定の合格発表後すぐに大学入試の出願準備が必要になる場合もあるため、スケジュール管理が重要です。
関連記事:高卒認定は意味ない?進学・就職への影響を正直に解説
通信制高校卒業 vs 高卒認定、進学・就職での扱われ方の違い
通信制高校を卒業した場合、最終学歴は「高校卒業」です。全日制・定時制と同じ扱いで、就職時の「高卒以上」の条件を満たせます。指定校推薦が用意されている学校もあります(学校により異なるため、志望校への確認が必要です)。
端的に言えば、「就職・一部の進学で高卒が求められる場面があるかどうか」が分岐点です。進学一択であれば高卒認定でも充分ですが、就職の可能性も含めて考えると、通信制高校卒業の方が選択肢の幅が広いです。
✍️運営者コラム:通信制高校卒業者が語る「高卒認定」の現実
✍️ 通信制高校カフェ運営者より 私(小谷)は高校を中退した後、通信制高校に編入して卒業しました。当時、高卒認定という選択肢も頭をよぎりましたが、選ばなかった理由は「大学進学だけが目標ではなかったから」でした。将来的に就職も視野に入れると、高卒の学歴があった方が動きやすいと判断したのです。ただ、もし「大学進学が決まっている」「学習を自分でコントロールできる」という状況だったら、高卒認定を選んでいた可能性もあります。どちらが正解かは、その人の状況次第。今のお子さんに何が必要かを、ぜひ一緒に考えてみてください。



就職を目指すなら高卒学歴は大きな武器になります。高卒認定は「進学への踏み台」と考え、最終的に大学・専門学校を卒業すれば学歴の問題は解消できます。
高卒認定の費用・受験方法(概要と子記事への案内)
費用の目安は受験料+勉強方法によって変わる
文部科学省が定める受験料は、受験する科目数によって異なります。1〜3科目の場合は4,500円、4〜6科目の場合は6,500円、7〜10科目の場合は8,500円です(2026年度現在)。
これに加えて、学習方法によってコストが変わります。独学なら参考書代だけで済みますが、通信制のサポート塾や予備校を使うと年間数万〜数十万円になることもあります。お子さんの学力状況や自己管理力に合わせて判断してください。
関連記事:高卒認定試験の費用・料金を詳しく解説
関連記事:高卒認定は中卒のあなたに必要?取るべき人・不要な人の違い
受験資格と年齢制限、現在の在籍状況との関係
高卒認定の受験資格は、試験実施年度末(翌年の3月31日時点)に16歳以上になる人です。高校在学中でも受験できます。在学中に合格しても、高校を卒業すれば合格の効力はそのまま残ります。
現在高校に在籍している場合、転入・編入で通信制高校に移る選択肢と、中退して高卒認定を目指す選択肢の両方があります。在籍中の単位状況によって判断が変わるため、詳細は以下の記事を参照してください。
通信制高校を選んだ場合、次に読む記事ガイド
高卒認定ではなく通信制高校への転入・編入を検討している場合に、参考になる記事をまとめました。
転入・編入の手続き概要と、詳しく知りたいときに読む記事
現在高校に在籍している場合は「転入」、一度中退した場合は「編入」という手続きになります。どちらも通信制高校側が受け付けており、取得済みの単位を引き継げる場合があります。引き継いだ単位数によっては、3年より短い期間で卒業できるケースもあります。
転入・編入の受け付け時期は学校によって異なります。年間を通じて随時受け付けている学校もあれば、学期の区切り(4月・10月等)のみ受け付ける学校もあります。志望校が決まったら早めに問い合わせましょう。
通信制高校を比較するときに役立つ記事
学校の情報収集をこれから始める場合は、以下の記事が参考になります。
関連記事:都道府県別に通信制高校を探す
お子さんの住んでいる地域で通える学校、登校頻度や費用の条件など、具体的な学校選びの情報をこれらの記事で確認してみてください。
子どもと一緒に「次のステップ」を考えるために
制度の比較を整理できたところで、最後に「どうお子さんに伝えるか」という視点でお話しします。情報を持った親御さんが、子どもと一緒に選択肢を考える際の参考にしてください。
子どもに「高卒認定はどう?」と切り出す前に、親がすべきこと
まず、お子さんが今どの回復段階にいるかを観察することが先です。「情報を与えれば動いてくれる」という期待を持ってしまうと、タイミングが合わずに逆効果になることがあります。
高卒認定か通信制高校か——その選択より先に大事なことがあります。「どの学校に行くかより、お子さん自身が選んだかどうか」が、その後の回復に大きく影響します。親御さんが先に選んでしまうと、子どもが「やらされている」という感覚を持ちやすく、途中でやめてしまうリスクが高まります。
親御さんが先に情報をしっかり収集して、お子さんが「聞く気になったとき」にすぐ答えられる状態を整えておく——これが大切な準備です。「選べる状態」を作るのが先で、選択を迫るのはその後です。
📢 当サイトに投稿された口コミ
「高校一年生の時に転学しました。母子ともども不安でしたが、先生方は私たちの気持ちを尊重してくれましたし、週3日コースといっても、必ず3日通わなければならないわけではないと、自分のペースで良いといってくださり、とても気が楽になりました。実際学校が始まっても、子どものペースを尊重してくださり、自分の意思で動けるように、自然な形で学校と関わっていけるよう配慮してくださいました。」
— まち(生徒の保護者・クラーク記念国際高等学校 三田キャンパス・2018年度)
「母子ともども不安だった」という言葉が、多くの親御さんの気持ちを代弁しています。高卒認定・通信制高校、どちらの選択肢を選ぶにしても、「お子さんが自分の意思で動ける状態をどうつくるか」が出発点になります。
NGな声のかけ方とOKな声のかけ方
声のかけ方次第で、子どもの反応は変わります。いくつか具体例を挙げます。
NGな声のかけ方
- 「高卒認定取ったら?」(親の意見を押しつける形)
- 「早く決めないと遅れてしまうよ」(焦りや期限のプレッシャー)
- 「学校行けないなら、せめて高卒認定くらいはね」(比較・否定が入る)
これらは子どもに「また追い詰められた」という感覚を与えやすいです。親が良かれと思って選んだ進路でも、子どもが自分で選んでいないと感じると、「やっぱり違った」という気持ちが生じやすくなります。
OKな声のかけ方
- 「こういう制度があるみたいだよ。よかったら一緒に見てみようか」(情報提示・強制なし)
- 「急いで決めなくていいけど、選択肢として頭に入れておいてほしくて」(余裕を持った提示)
- 「学校に行かなくても試験を受けられる方法があるって知ってた?」(驚きや興味を引く切り口)
伝えるのは「情報」であって「答え」ではありません。子ども自身が「それいいかも」と思えるかどうかが大切です。
子どもが「考えたくない」「どっちでもいい」と言ったときの対応
こうした返答が来たとき、「やる気がない」と判断するのは早いです。「考えたくない」という言葉の背景には、考えること自体が怖い・答えを出す自信がない・疲れているなど、さまざまな心理があります。
このときは、無理に話し合いを進めようとしないことが一番です。「今は決めなくていいよ。でも選択肢があるって知っておくだけでいいから」と伝えて、一旦引いてみてください。子どもの心に余裕が生まれたとき、自分から話しかけてくることがあります。
ひとつのシグナルとして、お子さんが「暇だ」「なんかすることないかな」と言い出したとき——それは回復してきた証拠です。エネルギーが溜まり、外に向かおうとしている段階です。そのタイミングで「ちょっと調べてみようか」と声をかけると、自然な形で話し合いに入れることがあります。
診断ツールを使って、子どもと一緒に「どっちタイプ?」から始める
進路の選択を直接話し合うのが難しい場合、「診断ツール」を入口にする方法があります。「どっちが合ってるかって診断があるみたいなんだけど、試してみる?」という軽い声かけの方が、重い話題として切り出すよりも受け入れてもらいやすいことがあります。
また、進路の方向性が見えてきたら、不登校の子どもを持つ親御さん向けの無料講座も活用できます。同じ立場の保護者の経験談を聞きながら、具体的な次の一歩を考えられます。
子どもへの声かけポイント
- 「これはどう?」と選択肢を提示するのはOK。「決めなさい」と急かすのはNG
- 子どもが「聞く気になったとき」に答えられる準備を先に整えておく
- 「暇だ」「なんかすることないかな」が回復のサイン:そのタイミングで話しかける
よくある質問
Q. 高卒認定の合格点(合格ライン)は何点ですか?
各科目100点満点で、各科目の合格点の目安は45点前後とされています。文部科学省は各科目の合格基準点を非公開としていますが、市販の参考書や過去の受験者情報から45〜50点程度を目標にすると対策しやすいです。科目合格制のため、苦手科目は複数回に分けて攻略できます。
Q. 高卒認定は独学で合格できますか?
独学での合格は可能です。難易度は中学〜高校1〜2年レベルで、公立高校の教科書相当の内容が中心です。文部科学省が公式サイトで過去問を無料公開しているため、これを繰り返し解くことが最も効率的な対策になります。ただし、自己管理が難しい場合は通信制の高認サポート塾を活用する選択肢もあります。
Q. 過去問はどこで入手できますか?
文部科学省の公式ウェブサイトで、過去数年分の問題・正答を無料でダウンロードできます。検索窓で「高卒認定試験 過去問 文部科学省」と入力すると該当ページにアクセスできます。書店でも出版社が編集した過去問集が市販されており、解説付きで学習しやすいものが多くあります。
Q. 学割(学生割引)は高卒認定取得後も使えますか?
高卒認定の合格者は「高等学校の生徒」ではないため、一般的な学生割引(鉄道・映画館など)は使えません。学割を受けるには学校法人に在籍している必要があります。通信制高校に在籍している間は学割を利用できますが、高卒認定のみを取得した場合は対象外となります。
Q. 高卒認定を取ると公務員試験を受けられますか?
試験の種類によって扱いが異なります。国家公務員試験(一般職・大卒程度)の場合、高卒認定合格者は受験資格がある試験と、高校卒業が必要な試験があります。地方公務員試験は自治体ごとに基準が異なります。受験を希望する試験の受験資格を各機関のウェブサイトで事前に確認しておきましょう。
Q. 高校在籍中に高卒認定試験を受けることはできますか?
在学中でも受験できます。在学中に全科目合格しても、高校を卒業すれば自動的に合格の効力は残ります(卒業で上書きされるわけではありません)。なお、高校を卒業した場合、高卒認定の効力より「高卒の学歴」が優先されます。在学中に受験する主な理由は、大学受験の準備として早めに合格実績を作るためです。
Q. 高校で取得した単位は高卒認定試験で免除されますか?
高校在学中に取得した単位や、高校卒業程度の認定を受けた科目については、試験が一部免除される「科目免除制度」があります。在籍していた高校から単位修得証明書を取り寄せて、文部科学省に免除申請を行います。免除が認められた科目は受験不要になるため、残り科目の負担を減らせます。
まとめ:高卒認定と通信制高校、あなたの子どもに合う選択を
高卒認定は「学力の証明」であり、高卒の学歴にはなりません。しかし、大学・専門学校への進学を目指す場合の登竜門として、登校なしで目指せる現実的な選択肢です。通信制高校は3年間の在籍で高卒の学歴を取得でき、就職・進学の両方に対応できる幅の広いルートです。
どちらが「正解」かは、お子さんの今の状態と将来の目標によって変わります。「いますぐ結論を出さなければ」と焦る必要はありません。親御さんが選択肢を知っておき、お子さんが「考えたい」と思えるタイミングを待つことが、最も大切なステップです。
関連記事:不登校の不安を話せる無料LINE講座(親御さん向け)
一人で抱え込まず、情報を集めながら、お子さんと一緒に次の一歩を考えていきましょう。





